ファシリテーションを生かして、愛と平和の教室をつくる

ファシリテーション

コミニケーションアンケートからわかったこと

これまで、ファシリテーションを生かしたグループ活動を授業に、学級活動に取り入れてきました。

模造紙、プロッキー、ワールドカフェ。

これらは、僕の学級経営において欠かせないツールとなっています。

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先日、今年度の研究のまとめを行うための「コミニケーション」についてのアンケートを子どもたちに行いました。

 

アンケート自体は、前任の研修部長さんらが作られたものです。

「話すこと」「聞くこと」「話し合うこと」「グループ活動」というトピックで質問されます。

 

話し合うことは好きですか?

相手の顔を見て話を聞いていますか?

 

という…、ど〜でもいい内容だったりします…。

あ…、今のは心の声です。

 

で、当然のことながらすべての項目で、数値は上昇します。

それもそのはず。

 

学活から道徳、授業に総合学習と、学び合いを大切にしアクティブな活動しているのですから。

 

ところが、一つの項目だけ、数値が下がっているのです。

それが、こちら。

「相手の意見と異なるとき、質問したり自分の意見を伝えたりしていますか?」

 

この質問の「はい」だけが減っているのです。

なぜでしょうか?

 

聴き合うと、認め合える

すべての項目の数値が上昇している。

それなのに、この項目だけは下降。

 

これが不思議なのです。

子どもたちは、非常に活発にグループ活動をしています。

質問も意見もよく飛び交っています。

 

それなのに、

「相手の意見と異なるとき、質問したり自分の意見を伝えたりしていますか?」は下降。

 

不思議でした。

 

それで、自由記述を読んでいたら、その答えを明確に書いてくれる子がいました。

 

「そんなことしたら、相手の意見を否定しているみたいじゃん!」

 

おぉ〜っ!!

そ〜だ!そ〜だ!

 

この質問が悪い!!

ごめんなさい、子どもたち。

 

「相手の意見と異なるとき」子どもたちは一生懸命その子の考えに耳を傾け、「わかろう」としていたのです。

 

僕らはついつい議論を戦わせようとしがちです。

それが、活発の話し合いだと勘違いしてしまいます!

僕がディベートの授業が嫌いなのは、そこなのです。

 

どちらが正しいか。

白黒はっきりつけようぜ!

 

こういうの、教室にはいらないなって思うのです。

 

テレビの討論番組を見てください。

あれだけ活発に議論しているのに、最終的に何の合意形成も得られません。

なぜなら、相手の言葉を聴かないから。

自分の意見をぶつけ合う。

自分は正しい!

相手は間違っている!

 

そうやって、人は価値観をぶつけ合う。

これはある種の暴力だなって思う。

そうやって、行き着く先が争いなんですよね。

 

教室をハッピーにするファシリテーションの手法

ファシリテーションを教室に生かすようになって、一番変わったのは人間関係です。

友だちの考えを理解しようと、心を配るのですね。

 

自分の考えと異なる意見。

そんなとき、その意見にじっくり耳を傾ける。

お互いに相手を理解しようとする。

そして、合意形成を図る。

 

決して戦わないの!

ホントに子どもたちって素晴らしい!

 

なるほど!

ここはラブ&ピースな教室なんだと思う。

そうやって教室は「ハッピーな教室」になっていくんだ。

 

ハッピーな先生になるためのステップ

 ファシリテーションを教室に生かすだけで、教室は大きく変わる。

 

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。