教員採用試験の面接で届けたいこと

教員採用試験 面接

教員採用試験での面接の思い出 vol.1

僕が教員採用試験の面接で感じたこと。

それは、「先生になろうって人は、みんな真面目だなぁ〜」ってこと。

真面目すぎる。

つまんないなぁって正直思うのです。

 

教室という場所は、白と黒だけじゃダメ。

グレーを許容できる能力が問われるんです。

だから、もうちょっとだけ柔軟に物事を考えられたらいいのになぁって思います。

 

集団面接でこんな質問がされました。

「あなたは、どの部活動の指導ができますか?」

みなさんなら、なんと答えますか?

 

「私は、学生時代から野球をやっていましたので、野球部の顧問ができます」

「私は、小さいころから絵が得意で、美術部ができます」

「私は、音楽の先生なので、吹奏楽部や合唱部なら大丈夫です」

集団面接でしたので、みんな順番に答えていくのです。

 

ん!?

聞かれたのは、そういうことじゃないでしょ?

 

僕はこう答えました。

「サッカー、野球、バスケ、バレー、水泳、陸上、卓球、武道。なんでもやります。音楽もやります。ただ、絵だけは下手なので、美術部だけは難しいかもしれませんが、やれと言われればやります!」

 

「あなたは、どの部活動の指導ができますか?」

 

そう聞かれたのです。

ここで、フォーカスしたいのは「熱意」です。

実際、自分がやりたい部活動をやれるなんて、なかなかないですよ。

 

「どの部活だってやりますよ!ええ!もう任せてくださ〜い!」

って気持ちが伝わればいいと、僕は考えてました。

 

教員採用試験での面接の思い出 vol.2

教員採用試験の面接でロールプレーを行いました。

「次のテーマで3分間のロールプレーをしなさい」という課題でした。

 

「茶髪にしてきた子」

「それを囃し立てる子」

「注意する先生」

という3役に分かれ、校門を通過するところを演じます。

突然、髪を染めてきた子がいて指導する。

そんなシュチュエーションでした。

 

僕が回ってきたのは「茶髪にしてきた子」でした。

チャキチャキした女の子がね「一番難しいから、やってほしい」って言うのです。

その子は、注意する先生役。

自分の適正を見せられると思ったのでしょう。

自信満々の表情でした。

 

でもね、それは悪夢のはじまりでした…。

ちなみに、おとなしめの女の子は、囃し立てる子に割り振られました。

 

で、ロールプレーが始まりました。

先生役の子が言うんです。

「なんですか、その頭は!」

 

ショッ…、ショートコントか?

説教を始めようとします。

面倒くさい…。

 

それから、3分間、逆に僕は説教をしました。

「茶髪にすると社会に出てから困る?困った人に会ったことありますか?」

「大人はよくて、子どもがダメな理由を教えてください」

「だれかに迷惑をかけていますか?」

「外国人の子にも注意しますか?」

「生まれ持って、この色だったら注意しますか?」

「なぜ、答えられないのに注意するんですか?仕事だからですか?」

 

囃し立てる子、一切しゃべりませんでした。

先生役の子も目をパチクリさせてました。

悪いことをしたなって思いました。

 

で、そのあと、ロールプレーを見てのディスカッションをしました。

「リアルでした」

「どう答えていいか、わかりませんでした」

いやいやいやいや!

そんなこと言っちゃダメでしょ…。

求められているのは、そんな言葉じゃないはずです。

 

僕はこんな話をしました。

「一人の先生が40人もの子どもたちをまとめるんですから、なんでも自由にしたら、秩序は保てなくなると思います。だからルールは必要です。ただ、子どもたちの疑問には、きちんと答えていける先生になりたいと思いました。ルールだから!みたいな感じでは、子どもたちには響かないと思います」

 

そんな話をしました。

結局、ちゃんと教育のことを考えているのか、が問われているんだと思います。

ただ「先生」って職に就きたいだけなのか。

それとも「先生」として志事をしたいのか。

 

志を問われているのだと思います。

 

「有能さ」をアピールするのは…

「社会人経験」をアピールをされる方がいます。

ある書き込みに、「社会人経験があるのに、採用しない教育委員会はおかしい」と書かれているのを見て、ずっこけてしまいました。

即戦力なら、優秀な講師さん(評判のいい講師さん)を採用しているように感じます。

 

たぶん、一番求められているのは、

「謙虚さ」

「ひたむきさ」

「明るさ」

 

「オレ、有能ッス!」みたいな人は敬遠されるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

だって、そんな新任さん、ちょっと迷惑だもん…。

 

「おかしい!」って言う人は、採用されなかった人ばかりです。

採用された人は、「おかしい!」とは言いません。

そういうものです。

 

自分の良さを知ってもらおうとすると、売り込みになります。

売り込まれると、人は拒絶します。

ぜひ、「熱意」と「志」をお届けしてみてください。

で、その「熱意」と「志」を育てるのは、学生時代なんです。

 

ハッピーな先生になるためのステップ

 面接は、熱意と志を聴いていただけるチャンスなんです。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。