仕組みをつくって学級の経営者になる

学級経営

『経営者』の仕事から考えてみる

『学級経営』という言葉があります。

学校の先生は、教室の『経営者』でなければならないのです。

ところが、僕らのほとんどは、経営を学んできたわけではありません。

 

では、『経営者』って、どんなお仕事でしょうか?

 

日本にはたくさんの自動車会社があります。

自動車会社の経営者が、車を作ったり、車を運んだり、車を売ったりすることはありません。

 

街に出かければ、たくさんのファーストフード店があります。

その会社の経営者(店長じゃないですよ)がファーストフードを作ったり、売ったりすることもありません。

 

では、「経営者」は何をしているのか。

それは、

「ビジネスモデルをつくること」

「ビジネスモデルを動かすこと」

「ファンをつくること」

サービスや製造や、流通、キャッシュの流れをつくり、それを動かしていく。

そして、それを応援してくれるファン(株主や顧客)を増やしていく。

これが経営者のお仕事なんだそうです。

 

学級を『経営』するということ

それでね、この「経営者のお仕事」を「学級担任のお仕事」に入れ替えてみると、とってもしっくりくるのです。

 

「ビジネスモデルをつくること」 =「学級の仕組みをつくること」

「ビジネスモデルを動かすこと」 =「学級の仕組みを動かすこと」

「ファンをつくること」 =「子どもに愛され、保護者に応援してもらうこと」

ほら、とってもしっくりくると思いませんか?

 

ところが、従来の先生たちは、教室にルールをつくることが大好きでした。

「これはこうしなさい」

「これはしてはいけない」

そうやって、ルールをつくり、それを守らせること。

それが従来の教室運営でした。

 

ですが、『仕組み』と『ルール』は違います。

では、『仕組み』という言葉を『ルール』に置き換えてみましょう。

 

「学級のルールをつくること」

「学級のルールを守らせること」

「指導に従う子どもにすること」

 

ほら、一気に『管理』の色が濃くなりましたね。

昭和の香りがプンプンしてきますね。

 

学級をルールによって管理しようとすると、このような「管理色」の強い従来型の教室になります。

 

そして、教室を『管理』しようとすると、教室が苦しくなります。

『管理』しようとして、『管理』しきれなくて、崩壊しかけている教室の方がよく見かけるかもしれません。

崩壊しかけている授業も、よく見かけます。

 

教室を『経営』しようとせず、『管理』しようとする。

怒鳴って叱って怖い顔。

厳格な『ルール』をつくり、制御していく。

 

そんな時代が、たしかにありました。

 

あのころ、本当に教室が苦しかった。

僕も、子どもたちも。

 

 

今、毎日がハッピーで、素敵な仲間と素敵な子どもたちに囲まれて暮らしています。

毎日が笑顔、本当に幸せな日々。

 

それは、『管理』することを手放し『経営』することの大切さを知ったからでした。

必要なのは、ルールか、仕組みか

あなたは経営者?それとも管理者?

経営者となって学級経営をする

 

『経営』している先生の教室では何が起きているか。

経営者として『学級経営』をしている先生の教室はちょっと変わっています。

 

休み時間は楽しく子どもたちと談笑。

ときには先生が読書していてもOK。

う~ん、今日も平和です。

 

日ごろ、先生はな~んにもすることはないんです。

いや、何もしていないように見えるんです。

でもね、『仕組み』ができていて先生に余裕があるから、手のかかる子や発達に課題をもった子に十分な手がかけられるんです。

だから、安定してハッピーなクラスなの。

 

「ハッピーな教室」を経営している「ハッピーな先生」って顔が違うんですよね。

みんなとっても優しい顔をしている。

 

一方、『管理』されている教室では何が起きているか。

先生はどんな顔をしていますか?

険しい顔をしていますよ。

 

あなたは教師でどんな顔をしていますか?

 

ハッピーな先生になるためのステップ

 仕組みをつくるということは、学級の経営者になるということ

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。