学級編成に疑問を感じたときは

学級編成

子どもが人のおもちゃをうらやむ理由

小さい子が、楽しそうに遊んでいるお友達のおもちゃを奪ってしまうことがあります。

 

我が子が小さいころ、よく地域の子育てセンターで遊ばせていました。

すると、ウチの子も知らない子を突き飛ばして、おもちゃを奪うんです。

そのたびに頭を下げて回りました。

 

ところが、奪ったらそのおもちゃで遊ぶのかというとそうではありません。

今度は別の子のおもちゃを奪ってしまうのです。

 

あれもほしい!

これもほしい!

全部ほしい、もっともっと欲しい♪

 

なんて欲張りなんだろう?

なんてわがままなんだろう?

と、そのときは思いました。

 

ところが、子どもというのは、おもちゃが欲しくてそんな行動をとるわけではないようなのです。

 

楽しそうに遊んでいる。

その時間、その姿を手に入れたくて、おもちゃを奪ってしまうのだそうです。

 

隣のクラスがよく見える。

自分の学級がうまくいかないとき、「学級編成が悪い」という先生がいます。

でもね、目の前の子どもたちをハッピーにしている先生は、毎年安定して「ハッピーな教室」を運営されています。

メンバー編成は関係なく、安定している。

この事実を受け止める必要があります。

 

かく言う僕も、学級がうまくいかないことがありました。

次から次に事件が起き、自分の学級ばかり生徒指導が入る。

異動になった直後のことでした。

 

「大変な学級をもたされたな」

そう感じました。

 

学級担任である僕がそんなふうに学級を見てしまったのですから、どんなクラスになったかは容易に想像がつくでしょう。

学級がうまくいかないことを子どもたちのせいにしてしまったら、学級担任はやるべきことが見えなくなります。

結局、個々の子どもたちには愛情をかけられましたが、最後の最後まで、僕はこの学級に愛着を感じられませんでした。

 

教室をハッピーにするために必要なこと

隣のクラスがよく見える、ということがあります。

しかし、忘れてはいけないこと。

それは、あなたがそのクラスの担任になったとしても、「同じクラスに育つとは限らない」、ということです。

きっと、他のメンバーだったとしても、あのころの僕のマインドではハッピーな教室はつくれなかったと思うのです。

 

逆に、今ならばまったく違う教室を生み出していることでしょう。

 

あの年、僕には深い後悔の念が残りました。

悩みました。

なぜ、このクラスを愛せなかったのだろう。

何度も何度も自問自答しました。

 

愛せなかったのは、子どもたちのせいではありませんでした。

愛は内側から生まれるものです。

愛を感じられなかったのは、僕の内側の問題だったのです。

 

そのことに気がついた翌年、僕はただただ目の前の子どもたちを愛することに専念しました。

すると、学級は明らかに変わりました。

いや、学級が変わったのではありませんね。

変わったのは僕自身。

 

その経験が「目の前の子どもたちをハッピーにする」というマインドを生み出しました。

 

学級を閉じるその日、あなたは、そして子どもたちは涙をこぼすことができるでしょうか。

悲しみに包まれるでしょうか。

学級に対する想いは、ちゃんと心が教えてくれます。

 

目を閉じて自分自身に問いかけてみてください。

「自分はすべてを出しきれただろうか?」と。

 

ハッピーな先生になるためのステップ

 愛は内側から生まれるもの。心の底から愛してみよう。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。