学級通信のタイトルには人生のテーマを掲げる

学級通信 タイトル

本物の『学級通信』に起こる不思議な現象

子どもたちに、

そして保護者に刺さる学級通信にだけ起こる

特別な現象

 

 

それは「学級通信」と呼ばれなくなるということ。

 

 

海外日本人学校に務めていたころ、

本当にたくさんの素晴らしい「学級通信」に出会いがありました。

 

 

広島県の先生が発行されていた学級通信のタイトルは『ポレポレ』。

「ポレポレ」とはスワヒリ語で「ゆっくり」を表す言葉。

すべて手書きで書かれていました。

 

 

保護者からバックナンバーを求められるほどの人気学級通信です。

 

 

しかし、この学級通信、生徒や職員、保護者から「学級通信」とは呼ばれません。

「ポレポレ」と呼ばれます。

 

 

 

大阪府の先生が発行されていた学級通信があります。

学級通信の名は『縁(えにし)』。

 

 

やはり、「学級通信」とは呼ばれません。

『縁(えにし)』は、

『縁(えにし)』と呼ばれます。

 

 

「心に刺さる」

「心をとらえる」

そんな学級通信は『学級通信』とは呼ばれなくなるんですね。

 

学級通信のタイトル

 

学級通信には先生が一番届けたい言葉がいい

学級通信のタイトルは、学級担任の先生の思いがダイレクトに反映されたものがいいでしょう。

 

 

 

だからこそ、『学級通信』はタイトルで呼ばれるようになります。

子どもたちや家族の会話の中に、『学級通信』がタイトルで登場するようになるんですね。

 

 

長年連れ添った夫婦がだんだん似てくるように、子どもたちもだんだん学級担任の先生に似てきます。

おもしろいもので、学級のカラーってあるんですよね。

 

 

 

そして、毎年毎年子どもたちの顔ぶれって違うのに、カラーだけは似てくるんです。

それは、その先生が大切にしているものが伝染していくからだと思います。

 

 

 

そして、その伝染力を高めるためにも、学級通信は素晴らしい力を発揮してくれます。

 

 

「焦らなくていいよ。ゆっくりでいいよ」というメッセージが込められた『ポレポレ』は、バックパッカーとして世界を旅した、その先生そのもののような気がします。

 

 

大ベテランの大阪府の先生は、きっとご縁の大切さ、人との出会いへの感謝を感じていらっしゃるのだと思います。

そんな先生自身の深い想いが『縁(えにし)』というタイトルには込められているのではないでしょうか。

 

 

言葉は「ことだま」です。

タイトルを口にする機会が増えれば増えるほど、その想いは伝染していきます。

 

 

『ポレポレ』学級は、『ポレポレ』な雰囲気になります。

『縁(えにし)』学級は、縁を大切にした学級に育っていました。

 

学級通信のタイトル

 

今、一番刺さる言葉をタイトルに

僕がこれまでつけてきた学級通信のタイトルは『だれもが主人公』。

 

「一人ひとりの子どもたちが輝くクラスにしたい。ここには、いなくていい子は一人もいない。教室をすべての子どもたちの居場所にしたい」

これが僕のメインテーマでした。

 

 

ところが、当初はなかなかうまくいきませんでした。

 

 

初期の学級通信のタイトルは『あなたが主人公』。

ちょっと個人主義のクラスができあがりました…。

 

 

続いて『みんなが主人公』。

ちょっと先生と生徒に距離を感じるクラスでした…。

 

 

「だって、オレたちが主人公でしょ?」

 

 

やはり思いって伝染するんですね。 

それで、紆余曲折がありまして、最後は『だれもが主人公』。

 

 

 

「自分も主人公だけど、

 あの子も主人公なんだ」

 

 

そんなクラスになりました。

 

 

みんな違ってみんないい!

あの子も輝いてるし、僕も輝いている!

そんなクラスになりました。

 

 

タイトルが変わるごとに、

僕自身のマインドにも変化がありました。

 

 

あなたが一番大切にしていることをタイトルにしてみる。

 

 

 

ハッピーに生きるためのキーワードをタイトルに落とし込む。

そして、それが学級のキーワードになったとき、教室は「ハッピーな教室」になるのだと思います。

 

学級通信のタイトル

 

学級通信のタイトルを考えるための3つのしつもん

それでは、『学級通信』のタイトルを考えるための3つのしつもんをプレゼントしますね。

 

しつもん1

「この学級を閉じるとき、

 どうなっていたら最高ですか?」

「新しいクラスは、どんなクラスにしよう?」ではないんですね。

始まる前に問いかけるのは、終わったときの姿なの。

 

 

「学級を閉じる日」に、どんな気持ちで教室を後にしてくれたら、「今年も最高のクラスだったなぁ」って思う?

 

 

 

しつもん2

「あなたが人生において

 大切にしていることは何ですか?」

子どもたちに、これだけは伝えたい!これだけは意識してほしい!ってことをとにかく挙げてみるんです。

10個、20個と挙げてみるんです。

もっともっと吐き出してください。

 

 

「人生において大切にしてきたこと」

 

 

それを伝えるために、あなたは子どもたちの前にいるんです。

僕は、そう考えています。

 

 

しつもん3

「それをシンプルに表すと、

 どんな言葉ですか?」

「先生らしい言葉」とか「タイトルっぽい言葉」とか、いらないんです。

「こうでなければならない」は、ないんです。

あなたの思いをシンプルに表す。

 

 

 

ハッピーな先生になるためのステップ

あなたの人生のテーマを、学級通信のタイトルにする。

 

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くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。