子どもたちに愛を届ける

幼児虐待

児童虐待のニュースばかり

2016年1月、児童虐待のニュースが後を絶ちません。

また1人、幼い命が絶たれました。

3歳の子どもに暴行を加え、死に至らしめる。

まことに人間の所業とは思えません。

 

 

ただただ胸が苦しくなります。

「憤りを覚える』というのは、こういう気持ちなのですね。

 

3歳だったころの我が子を思い出します。

いや、我が子でなくてもいい。

幼稚園に上がる前の小さな小さな命の姿を思い浮かべます。

 

小さな小さな命を想像する。

それはそれは愛らしい姿。

 

今度は、その小さな命に暴力を加えようと思う心境を想像してみる。

想像してみる…。

 

想像などできるはずがありません。

どのような気持ちだったのか、想像できないからこそ、得体の知れない恐怖を感じます。

 

やはり想う。

これは人間の所業ではありません。

 

大切なことは、第2の事件を生まないことです。

こんな悲しい子どもをつくってはいけません。

 

悲しい子どもをつくらないために

3歳の子どもを殺しておいて

「人生に悔いはない」

と言う彼の人生はどのようなものだったのでしょうか?

それを知ることが、このような悲しい事件を生まないために必要なことだと考えています。

 

「ガンをつけたから、頭にきてやってしまった…」

3歳の子どもと目があって、殺したくなるほどの衝動を感じ、それが抑えきれないんです。

彼自身がどのような家庭環境で育ち、周囲の人からどのように扱われてきたのか。

発達はどうだったのか。

そういうことに目を向けることが大切だと思うのです。

 

そうすることで、どのタイミングでどんな支援が必要だったのかが見えてくると思います。

 

児童相談所は何をやってるんだ!と思う人もいるかもしれません。

ですが、児童相談所に行ったことのある人は少ないと思います。

ご自身の目で確かめてもらうのが一番なのですが、世の中に数多ある子どもを取り巻く複雑な問題を扱っていくには、かなり苦しい状態だと思います。

もちろん、僕が目にした範囲で言えばの話ですが。

 

また、幼稚園や保育園、学校も同じです。

「家庭」の中に入っていくのは、口で言うほど簡単ではありません。

それでも、みんな必死に子どもたちに寄り添っています。

もちろん、これだって僕が目にしてきた範囲の話なのですが。

 

厳しい刑を与えれば、悪いことをする人がいなくなるという意見もあります。

でもね、本当でしょうか。

どうして飲酒運転がなくならないのか。

世の中から犯罪がなくならないのか。

僕はやはり、それは根本的な解決にはつながらないと思うのです。

 

『愛』を届けて、7世代先の幸せを想う

残念ながら、義務教育で『子育て』は学びません。

せいぜい家庭科で学習する『保育』程度。

それは、ただの『知識』です。

 

弟妹や親戚の子どもの面倒をみるのがお手伝いだった時代には家庭で子育てを学ぶことができました。

近所のガキ大将を中心とした遊び場があった時代には、そこで子育てを学ぶことができました。

核家族化が進み、遊び場がなくなり、塾だ何だと習い事が増え、子どもたちを取り巻く環境は大きく変わりました。

 

「手塩にかけて育てる」というけれど、今や子育てはスマホやゲーム機がするものになりつつあります。

スマホやゲーム機に育てられた子に、人の情愛がわかるでしょうか。

機械は、子どもの苦しみを理解することも、微笑みかけることもしてくれません。

 

愛されて育っていなければ『愛』の意味などわかるはずがありません。

愛はわかるものではなく、感じるものだからです。

 

学校にはいろんな家庭環境の子どもがいて、現実はテレビドラマよりもシビアです。

 

人間はみんな、だれだって愛されたい。

けれど、十分に愛されていない子もいます。

 

だから、僕はいつも「愛してる」「大好きだ」「大切だ」って伝えます。

平気で言うから、最初は驚かれます。

でもね、教育者を名乗るなら、それってむちゃくちゃ大事なことだって思うんです。

 

教育の世界から愛を届ける

大切にされているという実感を子どもたちに味わってほしい。

愛されたら勇気が湧いてくるよね。

愛されたら、胸の奥の方があったかくなるよね。

愛されたら、生きてる意味が感じられるよね。

 

そうやって、愛されて育った子どもたちが親になったなら、我が子を思いっきり愛してくれる。

たとえ、それが自分の子じゃなかったとしても、愛してあげられると思う。

『愛』の意味は、愛されて育った子にしかわからないんです。

 

僕は目の前の子どもたちをハッピーにしたいと、いつもいつも考えています。

ハッピーな人生を歩めるように力になりたいと考えています。

そのために一番必要な力は「愛される力」なんです。

 

『知識』として『愛』を教えても、『愛』の意味はわかりません。

目の前の子どもたちを愛することでしか、『愛』は伝えられないんです。

 

尊敬する野澤卓央さんは言いました。

「命の喜ぶことをしよう」

命はつないでいくものだから、次の次の世代のことまで想いを馳せる。

もっと先、7世代先まで想いを馳せてみる。

 

教育は未来を創るのが志事です。

幼児虐待。

悲しい子どもたちが生まれないようにするために教育の世界からできることがあります。

それは、目の前の子どもたちを大切に大切に育てること。

愛して愛して、愛し抜くこと。

 

だから思う。

7世代先のハッピーを考えて、子どもたちを愛したい。

 

ハッピーな先生になるためのステップ

 『知識』よりも『愛』を伝えることが志事です。

 
 
くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。