なぜその校則があるのか、答えられるようにする。

校則 生徒指導

ルールは少ない方がいいんだよ

子どものころ、学校にある様々なルールを「嫌だな」って思ってました。

 

僕の通っていた中学校では、毎月服装の検査がありました。

特別教室で、一人ずつ生活指導の先生の前に立たされるのですね。

イメージは、空港で危険物を持っていないか検査される、あの感じです。

「お前、髪が長いぞ!」とか、いろいろ言われるわけです。

 

さすがに、いまどきそんな検査や荷物検査みたいなのはないのだろうけれど。

 

それから、おもしろいのは、中1と中2・3は使う門が別でした…。

通っちゃいけない門があるんです。

 

あとね、校舎の関係で他学年の教室がどうしても隣り合ってしまい、フロアが重なるのですね。

その境界線にビニールテープが貼ってありまして…。

「ここには見えない壁があるから、話をするな。挨拶もするな。このテープは壁だ」って教えられました。

部活の先輩に会って、ビニールテープ越しに会釈したら、叱られるんです。

笑えるでしょ?

 

まあ、叱られても挨拶しますよ。

先生よりも先輩の方が怖かったですから(笑)

 

カバンは学校指定だし、サブバックも学校指定だし、ま〜兎にも角にも、決められておりました。

部活動の練習中に着ていいTシャツは真っ白でワンポイントまで。

刈り上げは、何センチまでだったかな?

女子の靴下は三つ折りで、その太さにも指定がありました。

 

ルールについて考えてみよう。

で、そうやってルールを増やすほど、実は指導すべき内容が増えていく。

注意する機会が増えるほど、子どもたちとの関係は、よろしくない方向に進むわけで。

先生たち、大変だっただろうな。

力づくの指導が許された時代ですからね。

それでも、なんとかなったのだろうけれど。

 

ずっと生徒指導を担当してきました。

すると、よく聞かれるのが、

「こういうことがあったのですが、指導した方がいいですか?」

という質問です。

 

どうも生徒指導担当のお墨付きがほしいようで、僕は正直

(面倒くさいな…)

って思ってました。

 

自分の魂に聞いてみなよ。

この子にとって、これは指導した方がいいって思うなら指導すればいいじゃない?

いちいち尋ねること?って僕は思っていました、心の中でね。

 

で、そういうことを繰り返すと、気がつくとやたら校則が増えていきます。

公に「校則」とはしていないものの、「暗黙の了解」や「指導すべき事項」がやたら増えていきます。

 

そうやって、やたら指導する内容が増えると、指導する先生、指導しない先生、指導できない先生と分かれます。

やがて、子どもたちや保護者の中に不信感が芽生え始めます。

職員同士もギスギスします。

「あのクラスはいい」

「あの先生は注意しない」

なんてことになっていくわけです。

 

大人になって、こういうお仕事に就いて、やっぱり思います。

(校則ってヤダな…)

 

ルールがなくても大丈夫な学校をつくろう

本当に大切なことはね、ルールなんかなくたって、心地よくみんなが暮らせる学校なの。

そのためには、どうでもいいルールはできるだけ削っていくのがいいんだよ。

 

子どもたちに「なぜですか?」と聞かれたとき、その「なぜか?」に答えられない、そんなルールは削っていった方がいいんだよ、ホントは。

 

「ルールを少なくすると、学校が荒れる。厳しくした方がいい」なんて言う人もいるけれど、僕は声を大にして反対する。

荒れるのは、そこじゃない。

子どもたちとの関係が壊れたとき。

そっちの方が確実に荒れていく。

ちゃんと人と人とがつながってたらね、教室は荒れないの。

 

だからね、子どもたちに説明のできないルールなんて減らした方が楽になるのだと思う。

 

以前、「1年生には赤鉛筆を持ってくるように指導する」という話を聞きました。

赤ペンでは、ダメなんだそうです。

なぜか?

 

ここで赤ペンでもいいにしてしまうとね、先生と子どもの関係が変わっちゃうんだって。

「先生が赤鉛筆って言ったら、赤鉛筆なの!赤ペンはダメ!」

なんだそうです。

 

くっだらねぇー!

って思いました。

 

そういう価値観がね、苦しくしてるのになって思います。

 

子どもにも保護者にも、納得感のある説明ができることをやっていくといいです。

赤鉛筆じゃなきゃダメ!って言える理由があればいいんですよ。

僕には、ど〜でもいいように思えるけれど。

ちゃんと、胸を張って言える理由があるはずなんだよね、たぶん。

 

学校ってね、そういうものが多いんです。

それでね、先生方に尋ねるんです。

「ねえねえ、なんでこの校則あるの?」なんて。

 

「えっ、昔からそうですから」という答えが返ってくる。

 

そこだよ、そこ。

そういうところが子どもたちの信頼を失う部分なの。

その頭で考える。

その心に問い続ける。

 

それが大事なんだよ。

 

 

ハッピーな子どもを育てる大人になるためのしつもん

そのルールがなぜ必要なのか、子どもたちに答えられますか?

 

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くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。