黒板って写さなきゃダメですか〜?

板書の仕方

シンプルに考える

学校には「こうでなければならない」があふれています。

これって常識だよね。

これって当たり前だよね。

そういうものがたくさんあります。

 

それらを疑ってみる。

若いころから、そんなところがありました。

 

「ノートに黒板を書き写す」

 

本当に、これに意味があるのだろうか?

ずっと考えてきました。

 

シンプルに考えてみてください。

大人になってから、そんなことしますか?

最近なんて写メとって終わりです。

 

書き写したら、覚えられる?

いえいえ、ほとんどの子はテスト前に覚え直します。

 

「ノートに黒板を書き写す」

 

本当に意味があるのでしょうか。

 

1分1秒を大切にする

授業をつくるうえで、一番大事にしていること。

それは、「無駄を省く」ということです。

 

1コマは45分〜50分しかありません。

とても短い時間なのです。

ですから、1分1秒を無駄にしたくないのです。

 

先生が書いた黒板を、ノートに書き写す時間が、僕にはもったいないのです。

 

また、黒板を書き写すと、早い子と遅い子でどんどん時間差が生まれます。

早い子に合わせれば、遅い子は置いてきぼり。

遅い子の合わせれば、授業の進度は遅れるばかり。

 

それもまた、時間のロスにつながります。

 

じゃあ、どうするか。

そもそも板書案があるような黒板なら、それを印刷して配ってノートに貼らせれば良いじゃないですか?

 

名文を書き写す 

書き写すという活動がすべて無駄だなんて言いませんよ。

 

「ノートに詩を書き写す」

 

これは、よくやるんです。

 詩人の書いた詩には、独特の表現があります。

独特の言葉があり、独特のリズムがあります。

だから、書き写すことで新たな発見があったりします。

 

「おやっ?なんでここは漢字じゃなくて平仮名なんだろ?」

「おやっ?こんなところで改行するんだ」

 

このような発見は書き写すことで気づくんですね。

だから、そういうのは無駄だとは思いません。

 

 

でもさ、先生が一生懸命チョークまみれになりながら書いた黒板。

そんなに名文だとも思いません。

まあ、少なくとも僕が書く文章は、書き写すほどのものじゃありません。

 

 

そんなわけで、僕はほとんど黒板を書きません。

じゃあ、黒板は使わないの?って尋ねられる。

いえいえ、黒板は使ってますよ。

むちゃくちゃ使ってます。

 

5分もあれば、文字で埋まります。

 僕は書かないけれど。

 

それはまた、今度。

 

教えない技術

やらなくてもいいことはやらない

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。