授業づくりのヒント 10

授業の悩み 授業が下手

授業づくりのヒント1 ワンクッション

 

「発問する」
  ↓
 「書く」
  ↓
「伝え合う」

 

これが授業のベースにあるのね。

 

 

で、

「ちょっと難しいかな」って発問のときは、

その前にワンクッション入れるの。

 

 

隣の席の子に伝える。

このワンクッションは効果的なんだな。

 

 

このときはね、

窓際の子から廊下側の子にね、

「一方的に話す」っていうルールで行くの。

 

で、1分間しゃべったら交代ね。

どうしても3人組になっちゃうところは、40秒ずつね。

 

先生の仕事はタイムキーパー。

それだけですわ。

 

 

話す方は一方的に話すの。

聞く方はただただ聞くの。

 

話し合っちゃダメ。

アウトプットするだけ。

 

話す側のポイントはね、

・1分間休まず話す。

・支離滅裂に話す。

・深く考えないで話す。

 

聞く側のポイントはね、

・ニコニコ聞く。

・興味をもって聞く。

・うなづきながら聞く。

 

それだけ。

とにかく「話す」。

とにかく「聞く」。

 

このワンクッションがあると、意外と書けるんだよね。

 

授業づくりのヒント2 グループ解散

グループワークするときは、4〜3人がいいね。

6人班とか作っちゃうと、

分裂しちゃうから。

 

3人、3人とか

4人、2人とかになっちゃうんだよね。

 

 

んで、できれば男女混合がいいね。

あと、座席は対角線に同性が座るといいね。

以前の学校で『学びの共同体』ってのやってて、

この配置はよかった。

 

よかったら、全部取り入れる。

それがいいの。

 

んで、グループワークで話し合うじゃない?

意見交換とかしたら、一旦グループを解体するの。

 

4人班のうちの一人はテーブルに残りなさいって。

で、残りの3人は別々のグループに行きましょうって。

そうやって、すべての班がバラバラに旅立つの。

 

そのときのポイントは、

「男の子は男の子の席に、女の子は女の子の席に」って伝える。

すると、グループが変わっても、ちゃんと男女混合班だし、対角線に同性が座ることになるのね。

 

で、いろんな意見を吸収したら、もとのグループに戻って、他のグループの意見をまた伝え合うの。

 

「伝え合う」ってアウトプットが用意されているから、

真剣にインプットしてくるんだよね。

 

授業づくりのヒント3 ノート見せ合いっこ

何も話し合うだけがアウトプットじゃないのね。

 

たとえば、ノートに書かせるじゃない?

んで、「5分後にみんなのノートを見学に行く時間を作るよ」なんて言う。

で、ノートを開いて机の上に置いておかせる。

自由に見て回る時間を作るの。

 

これは簡単。

 

んでね、キラリと光るノートは事前に紹介しておくといいんです。

 

「◯◯くんのノートはこんなところがいいから、ぜひ見ておいてね」

 

なんてことを数人挙げておく。

それもアウトプットのためのインプットにつながるのね。

 

授業づくりのヒント4 黒板の解放

キラリと光る言葉をアウトプットさせるなら簡単なのはね、子どもに板書させること。

「これいいね、板書してきて」

って言うだけ。

 

僕、ほとんど板書しないの。

でも、3分もあれば、黒板は文字で埋め尽くされる。

 

授業づくりのヒント5  ベスト◯◯

たとえば、「この段落にタイトルをつけよう」みたいなことをやるじゃない?

そしたらね、グループ内でベストタイトルを考えさせる。

 

んで、だれか一人の答えをベストに選んでもいいし、

その答えをさらにグループで磨いてもいい。

 

「あらすじを書こう」なんてことをやったらね、

グループ内で「ベストあらすじ」を決めるの。

んで、発表してもらう。

 

「ベスト◯◯」

 

これは使えます。

 

授業づくりのヒント6 教科書を汚す

「◯◯がわかるところ全部、教科書に線を引こう」

これもよく使う。

「主人公の人物像がわかるところ、全部に線を引こう」

「情景描写全部に線を引こう」

 

んで、線を引いたところをグループで確認し合う。

「線を引いたところをもとに、どんな人物かを書いてみよう!」

みたいにつながるわけです。

 

線を引くってやりやすい。

 

授業づくりのヒント7 付箋紙

全員とシェアしたい内容のときはね、付箋紙が便利です。

たとえば、初読の感想を書かせるときね、ノートじゃなくて付箋紙なの。

 

付箋紙に書いて、提出するでしょ。

A3とかB4の紙にペタペタ貼るでしょ。

A4に縮小してコピーするでしょ。

印刷して配れば、5分で終わる仕事なんです。

 

授業がすべて終わったあとの感想は、けっこうな分量になりますからね、スキャナーを使っちゃいますが、少しのアウトプットなら、付箋紙が便利です。

 

授業づくりのヒント8 レクにしちゃう

練習問題とか漢字の読み書きとか、言語事項とかで、問題演習的なものがありますよね。

 

あれもね、グループワークにしちゃう。

問題を割り振って、黒板に書かせるの。

「1番の問題は1班ね。

 2番の問題は2班ね。」

って感じね。

 

んで、ポイントはここから。

 

「じゃあ、1番の問題を丸つけするのは2班ね。

 2番の問題の丸つけは3班ね。」ってしちゃう。

 

「間違えてるのに、丸つけちゃって、それがテストに出て、全員間違えても、アタシャ知らないからね。責任もって丸つけしてよ♡」

と伝える。

もちろん、僕も正解か不正解かの確認はしてますけどね。

 

グループ対抗みたいにしちゃう。

ただし、やっぱり「学び合い」になるような工夫は必要。

失敗すると「教えあい」になっちゃう。

 

 

 

 

授業づくりのヒント9 使う言葉

こんな言葉をよく使います。

 

「書けるだけ書こう」

「2行で書こう」

「一文で書こう」

「箇条書きで書こう」

「単語で書こう」

 

 

「いくつに分けられる?」

「気づいたことを書き出そう」

「この文章でわかることは?」

「あらすじを小さな子どもにもわかるように言うと?」

「結局、この人は何が言いたいの?一言で言うと?」

「◯◯がわかる記述は?」

 

授業づくりのヒント10 表テーマと裏テーマ

一番考えておくのはね、

子どもたちが学ぶ仕掛けをつくるってことなの。

 

一つの課題を出すとします。

一つの課題には表のテーマと裏のテーマがあるの。

 

たとえば、

「段落に分けてそれぞれの段落に小見出し(タイトル)をつける」

なんてことをやったりします。

 

もちろん、表のテーマはね、

「段落に分けること」だし、

「小見出しをつけること」なんだけどね、

 

裏のテーマはね、

教科書を何度も読ませるってことだったり、

全体の構成を把握させたりしたいわけです。

 

でもね、

「教科書を何度も読みましょう」

「全体の構成を把握しましょう」

なんて言っても、それは無理なわけです。

 

だからね、

逆算するんです。

 

こういう力をつけたい。

そのために、こんな要素が必要。

んで、それをさせるために、

どんな活動をさせたらいい?

 

 

若いころは、

活動から授業を考えてたのね。

 

真新しいスタイルを見つけると、

すぐにそれに飛びついてた。

 

でも、逆だったね。

子どもの姿がスタート地点なんだよね。

 

ハッピーな先生になるためのしつもん

どんな授業で、子どもたちを満たしますか?

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。