子供のつまづきに気がつく方法

子供が勉強しない

「h」が書けなかったのね

もうずいぶんと昔のことだ。

 

先生は一生懸命英語を教えていた。

親も協力してくれて、一生懸命英語を教えてくれた。

でも、成績が全然伸びなかった。

 

本人もノートに一生懸命英単語を書いてきた。

毎日毎日英単語を書いてきた。

 

でも、英語の成績は伸びなかった。

 

なぜだろう?

その答えは簡単だった。

 

「先生、好きな歌手いる?」

「う〜ん…、ミスチルが好きかな」

「どうやって書くの?」

「ミスターチルドレン。書ける?」

「わからない」

「チルドレンはC、h、i、l…」

 

彼は「C」を書いたあと、手を止めた。

「う〜ん…」

「どうした?」

「エイチって、どうやって書くの?」

 

それで僕は「h」の書き方を教えた。

 

「んじゃ、次はアイな。アイって書いてみて」

 

彼が書いたのは小文字の「l」だった。

 

「小文字のアイは点書いて棒の方な」

 

僕は机に人差し指で「i」と書いて見せた。

 

あぁ、なるほど。

アルファベットを覚えてなかったのか。

 

アルファベットを覚えていないまま、英単語をただ書き続けていたのね。

教科書を見て、それをノートに写す。

ただ、ひたすら写す。

写せば叱られないから。

たくさん写せば褒められるから。

 

ただひたすら写す。

それはもう、ただの写経です。

 

そういうこと、意外と多いのです。

 

子供のつまづき

因数分解を教える。

でも、なかなかできなくて。

試しに九九を言わせたら、九九を覚えていなかったりする。

 

「CO2」って書いてる子に「Cって何?」って尋ねたら「アルファベット」って答えられたり。

つまづいたまま、次の単元に進むから、どんどん負債が溜まっていくんですね。

 

 

こんな子もいたな。

 

漢字が全然覚えられない。

たくさんノートに練習してくるんだけど。

 

それで、目の前で漢字を書かせてみる。

すると、筆順が超テキトー。

基本的に「左から右」「上から下」ですよね、筆順って。

その子は、「真ん中から外」。

 

ちなみに、同じ漢字をもう一度書かせる。

今度は、さっきと違う筆順で書き出す。

 

完全に「絵」なのです。

「絵」を描くように漢字を覚えていたのです。

 

漢字には法則性があります。

その法則を理解していなければ、なかなか漢字は覚えられません。

 

つまづきに気づいてあげる大人の存在

子供の書いてきたものを見て、「できている」「できていない」だけを評価してしまう。

でも、書いてきた物からは、なかなかそのプロセスが見えません。

「できていない」には、いろんな「できていない」があるのです。

 

とはいえ、40人いる児童生徒のつまづきを、一人の先生がすべて把握するのは、簡単なことではありません。

 

本当は、すべての子供に手をかけてあげたい。

すべての子供に目をかけてあげたい。

でもね、やはりね、それはなかなか簡単ではありません。

 

 

勉強に息苦しさを感じている子供には、勉強のつまづきに気づいてあげられる大人の存在が必要です。

 

「つまづき」に気づく方法

口出しは無用です。

黙って横に座り、子供の勉強している姿を眺めてみてください。

 

教えてはいけません。

教えないで、ただ横に座って眺めるんです。

 

ホント、黙っててください。

 

教えてしまうから、気づいてあげられないんです。

教えないで、眺めるんです。

うん!これが大事。

 

大人はすぐに教えたがるから。

子供のつまづきになかなか気づいてあげられないんだな。

 

 

プロの仕事

「勉強しなさい」と言っても、やらない子供は多くいます。

「勉強がわからないから」

これもその理由の一つです。

 

わかっていない勉強に、一人で挑むのは苦しいものです。

そんなときは、つまづきに気づいてくれる存在が必要なんですね。

 

 

プロの仕事とは、「できる」「できない」を評価することではありません。

なぜ「できない」のかに着目して、「できる」ようにすることです。

それが志事です。

 

そのためには、やはりもっと子供のことを知らなければなりません。

自戒を込めて。

 

 

ハッピーな先生になるためのステップ

子供のこと、知れば知るほど志事は見つかる。