なぜ、あなたの授業はトッチラカルのか。

授業がうまくなりたい

うまく授業ができないたった一つの理由

授業は、子どもたちに「何か」をさせることで作られています。

 

「聞く」

「書く」

「話す」

「調べる」

「読む」

 

「話し合う」なんてのは、つまり「話す」と「聞く」を同時進行で行っているわけですね。

 

うまくいっていない授業。

一言でいうと、「何をしていいのかわからない」のです。

指示や発問が不明瞭なんですね。

 

 

授業中に児童生徒がパニックになっている。

思考がフリーズする。

そういう状態を、先生自身が招いているわけです。

 

「えっ⁉︎

 その指示で子どもが動くと思ってるの?」

 

 

授業を参観すると、そう感じることがよくあります。

それで、子どもたちは周囲の様子を見たり、空気を読んだりしながら、授業に参加しているわけですね。

 

一言でいえば、子どもが先生に付き合ってあげているのです。

 

 

「指示」や「発問」の作り方が上手ではない。

授業がトッチラカル原因はそこにあります。

 

 

子どもの善意に胡座をかいて、自己満足の授業を続けていると、いつまでたっても授業はうまくならないのです。

 

 

授業をスムーズに進める3つのコツ

1つ目のコツは、アクションを絞ることです。

 

「書く」なら「書く」、「読む」なら「読む」。

 

今は何をする時間なのか。

それを明確にします。

同時進行ではなく、一つに絞ります。

 

 

「読んで書く」なんてときは、分割するんですね。

まず、「読む」。

次に、「書く」。

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

2つ目のコツは、「発問」や「指示」は一度文字に起こしておくことです。

 

僕の授業ノートには、子どもたちに伝える言葉をそのまま丸ごと書いてありました。

おもしろいもので、助詞を一つ変えるだけでも伝わり方が変わります。

 

「どう伝えるのか」にこだわる。

「これで伝わるだろうか?」と言葉に向き合うことが大切です。

 

 

たとえば、「話し合いなさい」「伝え合いなさい」では、子どもたちの動きは明らかに変わります。

そういう一言一言を吟味します。

そこに無頓着な先生の授業は、子どもたちを迷子にさせます。

 

 

ときおり、板書案すら作らず、発問も行き当たりばったりの先生を見かけます。

そのうえ、授業がうまくいかないことを生徒のせいにします。

 

 

でもね。

 

 

授業がうまくいかないのは、先生の問題です。

どの先生が授業をしても成立しないときだけですね、子どもたちのせいにしてもいいのは。

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

3つ目のコツは、できるだけ黙っていることです。

先生しゃべりたがりです。

でも、黙っていてください。

 

 

あなたがしゃべると、「書く」に「聞く」が加わります。

「読む」に「聞く」が加わります。

 

 

いいですか?

先生がしゃべると、アクションが増えるのです。

 

 

また、

あとから指示を付け足せばいいと思っているからこそ、最初の指示や発問が曖昧になります。

 

 

授業は「伝え方」が9割

言葉を磨くこと。

これが大切です。

 

最近はコンピュータやらタブレットやら電子黒板やらデジタル教科書やら、どんどん普及してきました。

ときおり「デジタル機器がないと授業ができない」とおっしゃる先生がいます。

 

 

勘違いをしてはいけないのは、デジタル機器が授業をスムーズにさせているのではないということです。

 

 

何もなくても授業がスムーズに進められる教育技術をもつ。

そういう先生が、デジタル機器を用いることで、さらにわかりやすい授業になるのです。

 

 

この順序を間違えてはいけないんですね。

 

 

 

ちょっと荒れた学校に赴任してみる。

修繕費にお金がかかりすぎて、デジタル機器なんて買えない。

壊されるかもしれないから買えない。

そんなところに赴任したら、授業力のない先生は途端に授業ができなくなります。

 

 

ちょっと海外に赴任してみてください。

便利な電子機器なんて何もない、そんな環境になったら授業力のない先生は途端に授業ができなくなります。

 

 

でも、そんな先生は一人もいませんでしたよ。

荒れた学校にいたときも、海外の学校にいたときも、先生方は本当に熱心に授業力向上に努められていました。

一流の先生ほど、自分自身に厳しく、授業力を磨いていました。

 

 

授業力を磨くことは子どもたちへの誠意なのです。

 

ハッピーな先生になるためのステップ

「発問」や「指示」のコツは、子どもを迷わせないこと。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。