ホントのことを僕らは知らない

あなたの知らない世界には

日本という国は、ちょっと変わっている。

いや、かなり変わった国だと思う。

 

 

四方を海に囲まれて、

閉鎖的な空間の中で生きている。

 

 

これだけネットが普及し、

世界中とつながった今も、

実は僕らは海の外のことを、

あまり知らずに生きている。

 

 

今日はそんな話を書こうと思う。

 

 

僕らが上海で暮らしているとき、「反日デモ」が起こった。

マンションにはインターネットテレビが設置されており、日本のテレビ番組が全チャンネル視聴できた。

おもしろいもので、「反日デモ」の間、何度も何度もワイドショーは「刺激的なシーン」を放送した。

 

 

ニュースキャスターは現地日本人の安否を気遣い、コメンテーターは「いかに中国がひどい国か」を説いた。

だが、現地に暮らしていて思う。

 

 

「何も起きてねえ〜ぞ」と。

 

 

だが、あれだけ何度も「偏った情報」を目にすると、「恐怖」が生まれる。

ちょうど運動会のシーズン。

日本から孫の勇姿をも見たいと祖父母で来ていたのだけれど、結局出かけずじまいとなった。

 

 

運動会そのものも中止になった。

賛否両論あったものの、

判断は賢明だったと思う。

 

 

情報は常に偏っているし、

その情報に僕らは左右されやすい。

 

 

人間は論理で理解し、

感情で行動する。

 

 

だから、

不安という心理を煽るような情報に、

僕らは敏感だ。

 

 

外務省は、海外安全ホームページの中で、海外への渡航情報を出している。

注意喚起である「レベル1」から、退避勧告である「レベル4」まで。

 

 

ちょっと不思議だな、と思ったのは、『反日デモ』なんてものが起きているときも、注意喚起が一切出なかったことだ。

僕らは公務で渡航していたため、「渡航情報」を気にする必要があった。

 

 

長期休暇中の旅行でも、注意喚起がなされている国への旅行は認められなかったからだ。

 

 

ところが、レベル1の国なんてそこら中にある。

比較的リーズナブルに行ける東南アジアは、かなり限られていた。

 

 

だから、反日デモの折、これだけワイドショーで「中国は危ない!」的な放送をしているのに、レベル1すら出されなかったときは、(よくわからんな〜)と思った。

 

 

現在だってそうだ。

北朝鮮が日本海に向けて、ミサイルをバンバン打っている。

ところが、その国に隣接した韓国は、首都までの距離40キロでミサイルなんか必要ないらしい。

 

 

でも、だ。

渡航制限なんて全くない。

(よくわからんな〜)と思う。

 

 

世の中なんて、

わからないことだらけだ。

 

 

 

思うに、情報なんてものは、ちゃんとコントロールされている。

その支配から抜け出す方法はたった一つしかない。

 

 

自分の目で確かめることだ。

 

 

世界が今、どうなっているのか。

自分の目で見て、肌で感じる必要がある。

 

僕は学習塾に金をかけるぐらいなら、

年に1回は海外旅行をさせたい。

 

 

英会話教室よりも先に、

海外の空気感に触れさせたい。

 

 

「生きる」とは未知を既知に変えていく行為だ。

親が一方的に、「日本はあーだ」とか「あの国はこーだ」とか言う必要はない。

思想を植え付けるようなことをする必要などない。

 

 

いろんな世界に触れさせてあげればいいのだ。

何をすくい取るかは、この子の課題なのだから。

 

 

創造的な人生を生きるためのしつもん

あなたの知らない世界には、どんなものがありますか?

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。