「クレーム」の受け止め方

不満の積み重ねが苦情の電話

電話の向こう側のストーリー

 

保護者からの苦情のお電話を、

「そんなことぐらいで電話してきて」

と言う先生がいて、

驚いたことがあります。

 

学校に電話をかけるということは、

決して簡単ではありません。

 

保護者は

いきなり電話をかけているわけでは

ないのです。

 

もちろん、そういう方もいますよ、中には。

 

学校に電話をかける前に、

かなりのブロックがあるんです。

 

「こんなことで、電話していいかな?」

 

「ウチの子に不利になるんじゃないか」

 

「モンスターペアレンツだと思われるんじゃないの?」

 

だから、

すぐには電話をしているわけではないのです。

 

迷って悩んで、もう限界!

というタイミングでの電話なのです。

 

そして、

一つの事件では電話をしていない。

 

いくつかの小さなことが積み重なって

電話をかけるしかなくなって、

ようやく電話をかけている。
電話の向こうには、もっと長いストーリーがあるのです。

 

 

保護者の立場に立って考える


保護者からの苦情。
どのように対応されていますか?


僕は、たくさんの炎上シーンを見てきました。
そして、炎上した状態からバトンタッチして、
火消しに奔走したことも何度もありました。


自分で炎上させたことも何度もありますが…。

学校を舞台にした

訴訟を専門にされている

弁護士の先生から伺ったお話です。

「学校の先生は謝るのが下手」

「謝れば済むのに謝らない。
 それでこじれて訴訟になるんですよね」

たしかに、

苦情がくると一生懸命説明をし始めます。

 

保護者よりも上に立とうという

マインドが見え隠れするんですね。

 

そして、

議論になり、

どんどん炎上していきます。

 

 

保護者にお会いした経験から

 

炎上した保護者にお会いして、

丁寧に話を聞いていく。

 

すると、

次から次へと不満が出てくる。

 

そんな不満の積み重ねが、

あるとき「苦情の電話」として

表出しているに過ぎません。

 

「そんなことぐらい

  電話してこないでよね」

と言う言葉を耳にすると、

とても残念な気持ちになります。

 

「そんなこと」の前には

「こんなこと」が山積みされているのです。

 

 

ハッピーな先生になるためのステップ

 

 お電話いただいた

 保護者に寄り添って、

 丁寧に対応する

 

 

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。