シンプルに思考するクセをつける

シンプルに考えると何ができそう?.001

ある不登校傾向の生徒がいました。

その子と話をしているうちに、「なぜ学校に来れないか」がだんだんわかってきました。

すると、一つの原因が浮き彫りになったのです。

 

 

学校に行く準備をして、玄関を出ようとします。

すると、ハッと思い出すんです。

 

 

「あの宿題ができてない」

「今日必要なあれが見つからない」

 

 

ちゃんと準備をしたはずなのに、ふと不安が見つかる。

すると、心はそれに一直線。

だから、学校に行けなくなります。

 

 

「なんだ、そんなことか」と思うかもしれませんが、人の性格は様々です。

これまでこの子は、そういうことを通して「先生に叱られる」という経験をたくさんしてきました。

 

 

だから、「また叱られるかもしれない」と考えたのです。

人間の「考え方」は、これまで経験してきたことで作られます。

ですから、この子が特別なのではなく、そういう経験をたくさんしてきたから、「忘れ物があったらどうしよう?」「宿題を忘れていたらどうしよう?」と不安になってしまったのですね。

 

 

 

そういうことが、この子とじっくり話していたらわかってきました。

とにかく「できていないこと」が気になるんだそうです。

 

 

 

さて、僕らは「宿題はやるもの」「忘れ物はしないもの」と考えています。

その考えに縛られています。

それが、「こうでなければならない」という価値観です。

 

 

ですから、居残りで宿題をやらせたり、家庭連絡を入れて忘れ物のチェックをしてもらったりするわけです。

けっこう、そういう先生の思いやりが、子どもたちの負担になったりします。

 

 

でも、そのとき僕はこう考えました。

この子を、この子が抱えている負担感から解放してあげたい。

だって、宿題をやることが負担で、忘れ物をすることが負担で、そのせいで彼女が学校から足が遠のくなら、その負担を取り除いてあげればいいんじゃないのかな?と思ったわけです。

 

 

これが正しいことなのか、何が正しいことなのか、僕にはわかりません。

けれど、目の前に困っている人がいたら、自分にできることを精一杯やる。

これが大事だと思うんですね。

 

 

 

幸い僕には「こうでなければならない」はありません。

宿題も忘れ物も、人生においてそんなに重要だとは思えません。

 

 

それで、まずゴールを明確にします。

で、ゴールまでを一直線で結ぶわけです。

 

 

学校に来るのがゴールなら、その周りにある障害を取り除けばいい。

とってもシンプルな思考です。

 

 

発達に課題をもった子がいてね、みんなと一緒には行動できないとする。

じゃあ、何を考えるかというと、「みんなと同じじゃなくてよくね?」と考える。

とてもシンプルです。

 

 

みんなと同じことができないから、みんなと同じことをさせようとする。

いや、みんなと同じことができないなら、みんなと違うことをさせればいいじゃないか。

 

 

常識やら「こうでなければならない」に縛られると、思考が硬くなります。

枠をつくると、思考がその枠の中でしか考えられなくなります。

 

 

頭の中はシンプルな方がいい。

 

 

それからたぶんその枠は、他人の評価を軸とした枠だと思う。

これをしておけば後ろ指を刺されない的な枠です。

 

 

批判も評価も、あまり僕らを幸せにしてはくれません。

目の前の人を幸せにするために何ができるか。

それだけを考えてみてください。

 

 

シンプルに考えたら、他の人が自分のことをどう思うかなんて、あまり重要ではないことに気がつきます。

人がどう思うかとか、どうでもいいんです。

 

 

 

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くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。