旅して気づいた語学力より大切なこと【後編】


そもそも使う機会がね〜んだよな

そんなことを考えると、

 

とりあえず

早くから英語やってりゃ

グローバルだぜ!

 

ってのは、

 

あまりにも浅はかじゃございませんか?

 

と思う次第です。

 

 

 

 

そもそも日本では英語を使う機会がほとんどありませんもの。

「駅で困ってる

 外国人を見つけたら、

 話しかけてみよう」

なんて言ってる先生がいたけれど、

そんなに駅で困ってる外国人なんていないし…。

 

 

向こうも英語が話せる前提なのも

どうかと思うし。

 

 

中国人の方が多いんだから、

じゃあ中国語を学んだ方がよくね〜か?

とも思ったり。

 

 

 

海外を旅して回ると、

そこには多種多様な人たちが

暮らしていることがわかります。

 

 

日本はやっぱり日本人ばかりですよね。

以前ある政治家さんが「単一民族」って言って

ネットに叩かれていましたっけ。

 

 

そりゃいろんな民族の方もいるでしょうが、

実際にはほとんど日本人じゃん?

僕の周りにいるの、ほぼ日本人ですよ。

英語を使う機会なんてゼロですよ。

 

 

でも、海外を旅すると、むしろそんな日本ってかなり特殊だということがわかります。

日本だと、日本人の暮らしているのが日本って感じじゃないですか?

他の国はですね、国ってのは、土地の名前であって、そこに住んでいる人は、いろんな国籍の人ってイメージですね。

 

 

 

 

そこら中に、

イスラム教のモスクはあるし、

キリスト教の教会はあるし、

仏教の寺院がある。

 

 

中華街があって、

アラブ人街があって、

みたいな。

 

 

とにかく、

一つの国にいろんな民族が暮らしているわけです。

 

 

 

必然的に公用語が必要になる。

共通語としての英語が必要になる。

そういう環境なんですよね。

 

 

日本語を学んでいる学生も多い。

日本語ができると仕事の単価が上がるのだと教えてくれた。

 

 

上海でこんな話を聞きました。

 

 

中国人相手のレストランより

日本人相手のレストランの方が

給料が良い。

お客の品もいい。

だから、日本語を学んでいる、と。

 

 

店員のお姉ちゃんから直接聞いた1次情報です。

つまり、必要があって学んでいるわけです。

決して「受験」のために学んでいるわけじゃないと。

 

 

ここ、重要なポイントだと思いますね。

 

「英検2級だけど、

 まったくしゃべれません!」

 

「受験で有利だから、

 英検取りました」

 

そんな生徒がたくさんいましたから。

英検2級と準2級保持者が8割ぐらいいましたからね…。

日本人学校のクラスでは。

 

 

思考は国語でできている。

国家が主導する教育は、

国として育てたい子ども像を描き、

そういう国民になるようにデザインされています。

 

 

そのために学習指導要領は存在します。

グローバルな社会に適応する子どもを育てる。

それは確かに急務のように感じます。

 

ただ、世界の国々と日本の実情にはギャップがあるよなって思うわけです。

 

 

英語教育をさせたければ、

まず半年に一度ぐらいは英語圏の国に旅行をさせてみるといいでしょう。

 

 

ぜひ、小中学校の修学旅行はヨーロッパかアメリカで。

もちろん公費でお願いします。

 

 

きっと子どもたちも喜ぶと思います。

学んだことをアウトプットさせてあげてくださいね。

その際パスポートの手数料も負担してあげてください。

 

 

ミサイルとか飛行機とか買うお金を、

少しでも未来のために回していただければ幸いです。

 

 

「教えなければならないこと」が増えるだけでは、

さらに教育現場は逼迫していきます。

 

 

日本の実情を鑑みれば、

もっと国語に力を入れることの方が

重要だと考えています。

 

 

英語よりも国語だろ?って思うわけです。

僕らは言葉を用いて、世界を理解し、自分の頭で考え、それを伝達しています。

言葉が豊かであればあるほど、理解も思考も伝達も豊かになります。

 

 

私たちは、母国語ととも生きているのです。

確かな礎を築くこと。

すべての子どもたちに届ける公教育の役割は、

そういうところにあると思うのです。

 

 

ちなみに、

言葉の通じない国を旅した僕が、

どのように伝えたのでしょうか。

 

 

それは…。

 

スマイル&ジェスチャー♡

 

 

旅するだけなら、

英語よりも人間力だよなって思います。 

 

→前編はこちら

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。