教員になりたい学生に聞かれた質問

どんな先生になりたいですか?

もしも先生になったら…

『しつもんカンファレンス』は「学生無料ご招待」という枠があります。

そんな学生さんから、こんなご質問をいただきました。

 

 

「先生になったら、

 やりたいことがやれますか?」

 

 

やりたいことか〜〜。

できるかもしれないし、できないかもしれないね。

でもさ、そんなの普通の会社に勤めたって同じだよ。

 

 

やりたいこと、できるかもしれないし、できないかもしれないよね。

 

 

僕はやりたいことをやりたいようにやってきた。

校長だろうが、教育委員会だろうが、平気で意見を言った。

 

 

目の前の子どもを幸せにする。

ただ、それだけが価値だったから。

 

 

「学校のため」みたいな仕事は「ふざけんなよ」ってやりあったこともあったな。

空気とか読む気がないから。

 

 

で、じゃあ、職場ですげ〜浮いてたかというと、そういうこともなく。

生徒指導、進路指導のトップとしてお仕事をさせていただいたり、学年主任をさせていただいたりした。

 

 

好き勝手にやったら、嫌われそうじゃない?

仕事とか外されそうじゃない?

 

 

なぜ、そんなことができたと思う?

ここが重要!

 

 

 

圧倒的に仕事をするんだよ!

 

 

できない先生のための組織

ちょっとリアルな話をしておこうか。

学校現場ってのは、「できない人」を守るために「仕事」が割り振られている部分がある。

 

 

そういうの、管理職の怠慢だよな…って若い頃は思ってたけど。

いざ、自分がある程度の立場になると、むしろ玉不足ってことの方が大きいように感じた。

どこも人材難なわけだ。

 

 

僕ね、先生になった当初から、「学校現場って、おかしくね〜か?」って、ずっと思ってたことがあるんだよね。

給料は年功序列じゃない?

長く働いた方が給料は良いわけさ。

でも、割り当てられた仕事量は、仕事ができるやつほど増えるわけ。

 

 

わかります?

だから、一番最悪なのは若くて仕事のできるヤツね。

 

 

衝撃的な仕事量の上に、一番給料安いの(爆笑)

 

 

若い頃は、部活動3つ掛け持ちして、夜間中学校講師やって、組合の青年部長やって、国語主任で、全国大会で研究発表して。

最後の最後まで、学年主任で進路指導主事で学級担任で国語主任で図書主任で2学年授業に行っていた。

 

 

一方で、仕事が「校内美化」のみ、なんて人もいるのだ。

各学期の大掃除のときのみ仕事がある。

 

もっとすげー人だと「拾得物」なんて係の先生もいた。

要は「落し物」が溜まったら、机に並べて「取りに来い」ってやるだけのポジションだ。

年に2回だよ、2回。

 

 

あとは、ず〜〜〜っとコーヒー飲んで、しゃべってるだけ。

 

 

「社長(校長)!

 マジであ〜ゆ〜ヤツ、

 全員クビにしたら、

 学校良くなると思うんですけど…」

 

 

「そういうわけにも、

 行かんのだよ。

 彼らを上手に生かしてあげないとね…」

 

 

そういうタイプが、ちょこまか生徒とトラブルを起こし、尻拭いをさせられるわけで、マジでアホくせ〜!と思ったわけさ。

 

 

「いや〜、

 そんな人って、

 どこの企業にもいるよね〜」

なんて言われるんだけどね。

 

 

最大の問題点は、そういうどうしようもないヤツも「先生」以外にポジションがないことなんだよ。

子どもとの接点に置いておくしかないでしょ?

授業とかやらせなきゃいけないでしょ?

 

 

授業もさせない、引率もさせない。

それでは「学校の先生」ではないからさ。

 

 

お客様とトラブルばかり起こすのに、営業職で使い続けなきゃいけない感じね。

伝わります?

 

 

教育って「人間」だからね。

よく「学校批判」する人がいるけど、僕は違うと思っている。

「学校」なんてものは、もうず〜〜〜っと同じ形でそこにあるわけ。

 

 

学校をつまんなくしてるのは「先生」の方なわけ。

先生が変われば、学校はまだまだおもしろくなるんだよ、って思ってる。

 

 

とりあえずは、そういう公務員体質の給料泥棒みたい教員、全員クビにしたらいいのになって思ってた。

ま〜、特に若い頃は「全員、敵」ぐらいに思ってたからね。

 

 

 

そしたら、ある先輩に言われたんだよね。

 

「学校なんて、2割の人間で回してんだよ。

 あ〜ゆ〜人たちを潰さないように手足のように使いながら、2割の人間の頭脳で学校を動かすんだよ。

 お前は2割の頭脳になりたいか、8割の手足になりたいか。

 どっちだ?」

 

そんなことを言われた、正門でタバコを吸いながら…。

 

 

それ以来、僕は必死になって仕事をした。

割り切って仕事をしたんだ。

 

 

圧倒的に仕事をする。

 

2割の頭脳になるには、圧倒的に仕事をするしかない。

圧倒的な学級経営をし、圧倒的な生徒指導をするしかない。

授業研究だって、かなりした。

 

 

そうやって、圧倒的に自分のブランドを作り上げると、「やりたいこと」をやっても、文句なんて出てこない。

影で言ってるバカはいるだろうけど、そんな3流教員は相手にしないから関係ない。

 

 

だからね、学生さん。

「先生になったらやりたいことがやれますか?」

その答えはあなた次第だよ。

 

 

1校目で歯を食いしばって自分を磨いてみなよ。

2校目、3校目で好きにやれる。

4校目で、次のステージを探すか、管理職になって「最高の学校」を作ればいい。

 

 

まあ、やってみてから考えたって良いんじゃない?

あと50年ぐらい働くんだし(笑)

職業は生涯1つだけって時代は終わってんだからさ。

 

ハッピーな先生になるためのしつもん

どんな先生になりたいですか?

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。