好きな先生、嫌いな先生

目の前の子どもたちに何を届けたいですか?

指導ってさ、結局、どれだけ指導力があるかよりも、子どもの好き嫌いによるところの方が大きい。

ただ、子どもの好きな先生は、指導力がある方が多いから、あたかも指導力があると好かれると思いがちなんだけど。

 

 

新卒でポンとやってきて、好かれる先生もいるし、研究熱心なベテランで嫌われる先生もいるしね。

 

 

ある意味、人気商売なのさ。

 

 

でね、じゃあ優しければ好かれるかっていうと、そういうわけでもない。

優しくて好かれる先生と甘くて舐められる先生がいるよね。

 

 

逆に厳しくて嫌われる先生と厳しくても好かれる先生もいたなぁ。

 

 

ついでにいうと、僕は厳しい先生も優しい先生も、両方ともやったことがあるのね。

で、僕のことを好きになる生徒もいたし、嫌いになる生徒もいたわけ。

 

 

「くればやし先生は良い先生」という保護者もいたし、「あの先生は全然ダメ」ったいう保護者もいた。

 

 

それでいいんだよ。

万人ウケするような人間なんて、むしろ胡散臭いよね。

 

 

ってなことを考えると、みんなに好かれようとするのはうまくいかないね。

「オレのことを嫌いな子どももいてOK!」ぐらいの気持ちでいたい。

 

 

そのうえで、過半数から3分の2ぐらいに信任は得たいよね。

 

 

ってなるとさ、一番大事なのは、ブレない自分だよ。

軸があると子どもの声、保護者の声に耳を傾けられるんだよね。

 

 

意固地になるのは、軸がないからさ。

ちょっと押されたらブレるから頑なになる。

すると、子どもたちからも保護者からも信頼されない。

 

 

自分の中に軸があるとさ、「そういう意見もあるのな」って受け入れたあとで、「じゃあここまでは譲るけど、ここからはマジ無理!」ってラインがはっきりするのよ。

 

 

優しくても軸がある。

厳しくても軸がある。

 

 

そういう先生は信頼されてたなぁ。

受け止め上手な人ね。

軸があると受け止められるのよ。

 

 

 

 

「いや、学校のルールがどうとか、あんまり興味ないだけど、オレ、こいつらが笑顔ならそれでいいっすよ」

 

 

そこブレないから(笑)

そんな感じね。

他の人の評価とか二の次、三の次。

子供のハッピーにしかフォーカスしない。

 

 

そこまっすぐブレなかったなぁと今さらながら思うわけ。

 

そうそう。

ある不登校の子の母ちゃんに言われたなぁ。

 

「先生、無理矢理でも引きづって学校に連れて行ってください」って。

 

「いや、無理だね。この子、それを望んでないでしょ?」

 

「この子の気持ちなんてどうだっていいんです。保護者が望んでいることをすべきでしょ?」

 

 

若かったよね、全然母ちゃんに寄り添えてなかった。

でも、その頃からブレはなかったな。

「はぁ?オレの行動はオレが決めるから。この子がそれを望んでないなら、それは無理な相談っすよ」

 

子どもとつながる問いかけの魔法

目の前の子どもたちに何を届けたいですか?

 
 
くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。