子どもにとって魅力的な大人ですか?

子どもたちにどんな姿を見せますか?.001

「楽して儲かる仕事を紹介します」

 

そんな広告をよく見かける。

「楽して儲かる」なんてことは可能なのだろうか。

 

 

もの好きな僕は、一応資料だけ取り寄せてみたりする。

説明会に参加したりする。

 

 

それがなかなかおもしろい。

儲かる可能性があるなぁ…と思うものもある。

「詐欺だ!詐欺だ!」と騒ぐけれど、

あながち嘘ってわけでもない。

 

 

あ〜そのノウハウ、そのやり方なら、

儲かるかもね、と思うものだってある。

 

 

けれど、「楽して儲かる」という言葉の「楽して」の部分は大嘘だなぁって思う。

だいたいどれも「楽して」は儲からないものばかりだ。

 

 

苦労の部分を語るとビジネスにならないだろうから、その部分はグレーにしておく。

 

 

で、人間は「楽して」と「儲かる」のどちらに反応しているのだろうか?という話をしたいんだけど。

 

 

 

僕らは「儲かる」よりも「楽して」に反応していることが多い。

 

 

「儲かる」だけにフォーカスすると、仕事なんていくらでもあると思う。

他人がやりたがらない仕事を探せば、いくらでもお金になる仕事はあるだろう。

他人がやりたがらない仕事を、他人が働きたくない時間に、他人が働きたくない場所で働けばお金になる。

 

 

でも、そういうのに人間は反応しない。

「当社は超絶ブラック企業です。でも、稼げます!」に、人間は反応しないのだ。

 

 

やっぱ人は「楽して」の部分に反応していると思う。

楽したいんだよね。

 

 

でも、「楽して儲かる」なんてものはない。

だいたい「楽して儲かる仕事」を、縁もゆかりもないネットで知り合っただけのあなたに教えるはずがないじゃない?

 

冷静に考えればわかるはず。

 

 

でも、僕らはお金を前にすると冷静な判断ができなくなる。

おもしろいよね、人間って。

 

 

ユーチューバーになりたい

で、子どもがユーチューバーになりたいと言う。

大人は決まってこんなことを言う。

「楽そうに見えるけど、そう簡単じゃないぞ」なんてね。

 

 

そもそも、子どもは楽そうに見えるからユーチューバーになりたいわけじゃないだろう?

子どもたちは儲かりそうだからユーチューバーになりたいわけじゃないだろう?

 

 

大人のフィルターで子どもを眺めちゃいかんよね。

 

 

子どもたちのアンテナは確実に「楽しそうな大人」に反応しているんだと思うよ。

我が子たちとユーチューブ見てるとね、人気のユーチューバーを教えてくれるのね。

 

はじめしゃちょーとか、確かにやってることはくだらないんだけど、ほんと楽しそうにやってんだよね。

で、そうやって楽しいことやって稼いでる大人を見て、反応してるんだと思うよね。

 

 

「ユーチューバー」が子どもの将来なりたい職業ランキングに入ったときにさ、「最近の子供は変わった」とか、「キャリア教育がうんたらかんたら」とかおっしゃる専門家がいるけどさ。

 

 

単純に、子どもの目から見て、魅力的に映らない大人が増えただけじゃないの?って思う。

 

 

わかりやすい実例をあげよう。

落ち着いた学校に赴任すると、「将来の夢は学校の先生」って子が増える。

荒れた学校に赴任すると、そんな子供はいなくなる。(笑)

 

 

子どもたち、ちゃんと見てるよね。

先生って大変だわ…って。

 

 

だからね。

ユーチューバーになりたいって子どもが増えたってことは、子どもの問題ではなく、大人の在り方を問われてんじゃないの?って思うわけです。

 

 

働いてる姿が魅力的じゃないのかもよ。

 

 

創造的な人生を生きるためのしつもん

子どもたちにどんな姿を見せますか?

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。