「人生を信じる」ということ。

子どもとスマホ、どっちが大事?

デブでゲイで女装癖。

そうやって自虐的に自分を表現する彼女。

いや、彼。

 

 

小学5年生のとき、なんとなく学校が嫌になって登校拒否。

子どもっぽくない「子ども時代」を過ごした彼女、いや彼。

「自分はデブでゲイだから」って中学時代に達観して、「もうなるようになれ!」って開き直ったのだそう。

 

 

そこから今のマツコ・デラックスさんが始まりました。

『バディ』というゲイ雑誌の編集部で働くようになったマツコさん。

編集者生活を5年ほど続けるも、人間関係の悩みから仕事を辞め、約2年間も引きこもり状態になりました。

 

 

お父さんからは「働かないなら水を飲むな」と言われ、家族で引っ越すとお母さんから「次の家にはもうあなたの部屋はないからね」と言われてしまう始末。

消費者金融からお金を借りて、ボロボロのアパートで暮らしていたんだそうな。

 

 

そんなとき、作家の中村うさぎさんから「会いたい」と連絡が来ます。

うさぎさんはゲイ雑誌『バディ』を読んで、マツコさんの存在を知ったのでした。

 

 

うさぎさんの対談集の相手役の1人に選ばれたマツコさん。

やがて、週刊誌の連載やテレビ出演が始まります。

そこからはもう、誰もがご存知のマツコ・デラックスさんの誕生です。

テレビで見ない日はないほどの人気者になりました。

 

 

マツコさんはご自身のことをこう表現されています。

「本職のタレントさんとは違って、流されるまま、『通りすがり』にテレビの世界に寄ったようなものね」と。

 

 

人生というのは上手にできています。

リンカーンの新しいお母さんは、たくさんの本を持っていました。

その本を読んでリンカーンは読書に目覚めます。

また、たまたま仕事で行ったニューオリンズで奴隷市場を目にし、奴隷解放運動に立ち上がります。

 

 

実験ができなかったキュリー夫人は、いとこが「工業・農業博物館」の館長に就任し、そこの研究室を使えるようになります。

 

 

シャネルが初めてパリに構えたお店。

それは当時お付き合いしていた男性が、愛人と密会するために用意していた部屋でした。

たまたま、パリに部屋を持っている男性と出会っていたのです。

 

 

 

人生は、どうやらそのように構築されているようなのです。

ご自身の人生を振り返ってみてください。

 

 

幾多の困難が待ち受けていたでしょうか。

その瞬間、その瞬間は不幸のどん底です。

 

 

でも、そんな過去を振り返ると、一直線に結ばれていることに気がつきます。

あれがあったから、これがあり。

これがあったら、あれがある。

 

 

人生は万事塞翁が馬。

どうやら、人生とはそのようにできているようです。

すべてはうまくいくようにできています。

 

 

自分の人生を信じられたとき、僕らは子どもたちの人生も、また他者の人生も信じることができます。

人生には春夏秋冬があり、流れがあります。

「チャンスの神様は前髪しかない」と言うように、いかにしてその流れに乗るかが重要なようです。

 

 

マツコさんが中村うさぎさんとの対談を断れば、今のマツコさんの活躍はなかったかもしれません。

天才性を開花させるには、無理をするでもなく、背伸びするでもなく、流れに乗ることが大切なのです。

 

 


マツコ・デラックス 著

『デラックスじゃない』

(双葉文庫)

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。