リーダーは組織を回す人間である。

中堅社員の山田くんはタバコが大好きだ。
衣服についた臭いに鼻が曲がりそうである。
僕より10は年上のベテラン社員、田中さんが言う。
「あなた、上司なんでしょ?タバコ、辞めさせないよ」
この女性は何かと気が強い。
僕は彼女が口を開くたび、辟易していた。
このご時世、上司の一言はいつだって、パワハラと背中合わせだ。
「山田くん、タバコを辞めないのか?」とか言った日にゃ、「趣味や嗜みにまで口を出すのか」「パワハラです」と言われてしまう。
これだからリーダーになどなりたくなかったのだ。
そこで、どうするか?
社内一の美人、
我が社のマドンナ竹下さんに
お願いするのである。
面倒見の良い竹下さんは、
丁寧にお願いすれば、
なんでも聞いてくれる女性だった。
「山田くん♡
ワタシね、山田くんのこと好きなの♡
でも、タバコの香りだけがダメなの♡」
こうして山田くんは禁煙を決意したのである。
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麦わらの一味は、
病人が出たらチョッパーが
治療にあたる。
麦わらの一味において
料理をするのはサンジの仕事である。
麦わらの一味において
船の修理をするのはフランキーの仕事である。
麦わらの一味において
ウソをつくのはウソップの仕事である(笑)
ルフィは治療しない。
料理しない。
船は直さないし、ウソもつかない。
組織とはそういうものである。
適材適所。
必要な人員を配置する。
そして、それぞれのやる気に火をつける。
それがマネージメントである。
叱咤激励だけでは、
人は動かない。
報酬だけでは、
人は動かない。
一体組織の中で誰がチョッパーで、
一体組織の中で誰がフランキーなのか。
そして、自分自身がどう在り続ければ、
人は動くのか。
それを知るためのツールがSTRである。
そして、そのツールを生かすのが智慧である。
そこに経験が加わり、確かな人間力で持って、将は将たる力を発揮する。
リーダーは「なんでも屋」ではない。
組織を動かすとはそういうことなのだ。
