今、自分の学級で起きていることを把握するために、どの児童生徒に声をかければ良いか。

2019年夏。
名古屋、札幌、岡山で先生向けに講座をした。
「STR(素質適応理論)」と「学校の先生」。
この組み合わせは最高に相性が良い。
学級担任は教室をマネージメントしている。
40人の子どもたちと1人の大人。
コントロールしていたのは、一昔前の「学校の先生」である。
今の時代、そんなことをしていては回っていかない。
40人の船員とともに旅に出るイメージ。
適材適所。
丁寧にマネージメントしていく必要がある。
たとえば、クラスで今、何が起きているかを知りたければ、4番タイプに声をかけてみる。
この子たちは広い視野で持って教室全体を見渡している。
座席はできれば、最後尾か壁際。
全体を見渡せる席がいい。
適応値が低ければ、さらに良いかもしれない。
他者の気持ちをキャッチするアンテナが高いからだ。
目立たない子ほど、感性が高い。
そんな意識を持つといい。
あとは「◯タイプ」「□タイプ」「△サイプ」で声のかけ方も変わる。
見えてるものも変わる。
あなたが必要としている情報はどのタイプが持っているだろうか。
ここは教師の感性である。
適応値の高い先生は、クラスで起きている問題をキャッチするのがどうしても遅れる。
僕もいろんな先生から「ちょっとくればやし先生のクラスの〇〇くんが気になるんだけど…」と言われた。
(そんなことないのにな…)と思うのだけど、念のため話を聞く。
すると、生徒が鬱積した思いを吐露してくれる。
そんなことが幾度となくあった。
僕の感性の足りない部分は他の先生の感性が補ってくれた。
パーフェクトな教師を目指す必要はない。
足りなければ補い合う。
それが仲間である。
チームとはそういうものである。
僕には僕の、他の先生には他の先生の役割があるように。
子どもたちにもそれぞれの役割がある。
STR(素質適応理論)は、その適性を知るためのツールである。
だが、間違えてはならない。
これはあくまでもツールである。
鵜呑みにするようなものではない。
このツールを利用しつつ、いかにして学級を動かすか。
そこは経験によるところが大きい。
新卒の先生がSTRに出会い、児童生徒のことを「わかったつもり」になるのは、いかがなものか。
これは僕らの教師としての経験の「答え合わせ」にするぐらいがちょうどいいのである。
言ってみれば、「先生としての感性」は正しかったかを確かめるツールであり、自分が気づいていなかった児童生徒の特性に気づくツールである。
だから、30代・40代の先生が学ぶと、なお面白いのである。
「STR(素質適応理論)」と「学校の先生」。
この組み合わせは非常に面白い。
学級をいかにしてマネージメントするか。
もう先生がジタバタする時代は終わっている。
1人のカリスマが教室をコントロールするのは時代遅れである。
教師自身が「自分」を知り、児童生徒を理解し、教室をマネージメントしていく。
そんな経営者として感覚が必要である。
