子どもが連絡帳を書きません。

子どもが連絡帳を書かない

先日、こんなご相談をいただきました。

 

「子どもが小学生にもなって、連絡帳を書いてこないんです」

 

お母さんは困った表情でお話になりました。

それでこう答えたんです。

 

 

「お子さんは連絡帳を書いてこなくて困ってるんですか?」

 

「いいえ、全然。あの子、気にしてないみたいで」

 

「そうですか…」

 

 

 

僕はコーヒーの入ったマグカップではなく、

その先にあるお水のコップに手を伸ばしました。

 

 

「じゃあ、学校の先生から叱られたりするんですか?」

 

「いいえ、先生も何も言ってくださらないみたいで」 

 

 

一口、口を潤して、彼女の顔を見つめました。

 

 

「それって、誰が困ってるんですか?」

 

「えっ?」

 

彼女は一瞬、キョトンとした表情を見せました。

そして、手を口にあて、

 

「あっ!困っていたのは私でした」

 

とおっしゃいました。

 

子どもは困っていない。

でも、大人の心は反応してしまう。

そんなことってあると思うのです。

 

 

これ、まさに反応です。

 

 

僕らには「こうあるべき」「こうせねば」というベキネバが存在します。

子どもたちの行動は、時にこの「ベキとネバのセンサー」を刺激します。

 

 

 

連絡帳を書かなくても困っていない子ども。

連絡帳は書くべきだと思っている母。

 

 

この「大切にしていること」の差が、時に戦争を巻き起こします。

 

 

 

 

 

以前、娘の不登校に悩むお母さんとお話をしたときのこと。

 

「学校に行きたくない」と言う娘。

「学校に行かせたい」と言う母。

 

二人は対立し、いつしか娘は部屋から出てくることはおろか、母が作った食事すら口にしなくなりました。

 

 

「先生は何もやってくれないじゃないか!」

 

そうお母さんは電話口で憤りました。

そして、「縄をつけてでも学校に連れていってくれ」と怒鳴り散らすのです。

 

 

 

「お母さん。僕は娘さんの気持ちを第一に考える教師です」

 

そう伝えた僕に、母はこう絶叫しました。

 

「娘の気持ちなんか関係ない!

 あの子はただ休んでいるだけ!

 

 

 

 困っているのは

 私なの!」

 

 

 

今でも忘れられない、

学校の先生時代の思い出です。

 

 

 

 

子どもには問題が起きていない。

ただ、子どもの姿に問題を感じている大人がいる。

それだけのこと。

 

 

この問題は案外深刻です。

 

 

大切なことは「私の問題」「あなたの問題」を切り離すこと。

 

そして、「私の問題」を解決できるのは「私だけ」だし、「あなたの問題」を解決できるのは「あなただけ」ということを腹に落とすこと。

 

 

他の子どもは連絡帳を書いている。

でも、この子は書いていない。

そんなときはモヤモヤしたり、イライラしたりするもの。

 

 

だって、心が反応するんだもの。

いいの、いいの。

だって、人間だもの。

親ってさ、そういうものよ。

 

 

だけど、忘れないで。

 

 

人間って失敗して初めて気づく生き物よね。

たぶん連絡帳を書かないと、いつか大きな失敗をする。

そして、そのとき気づくの。

 

 

それがきっかけで、連絡帳を書くようになるかもしれない。

 

 

だけど、もしかしたら、大きな失敗が起こらないかもしれない。

そしたら、連絡帳を書かないじゃないか?って。

 

 

違う、違う。

そうじゃない。

 

 

大きな失敗が起きないなら。

そもそも、連絡帳を書く必要がなかったってことじゃん?(笑)

 

 

全部この子の「学び」であり「経験」なの。

全部この子には必要なの。

 

 

それを大人が奪ったら、この子は成長のチャンスを失うよね。

だから、あなたが問題だと思っていることは、この子にとって問題ではないんだな。

 

 

子どもとつながる魔法の質問

 それは誰の問題ですか?

 

 

くればやし ひろあき

公立中学校で16年間3000人以上の子どもたちと出会ってきた思春期の子どもの専門家としてメルマガ配信。当初、学校の先生に向けて発信したが、先生たちには見向きもされず。なぜかお母さんたちの心を掴んでしまい、北は北海道から南は沖縄まで全国各地に呼ばれるようになる。個人セッションをスタートすると、お母さんたちで行列ができる。
気がつけば、幼保小のPTAや高校生、なぜかシルバー人材センターまで、いろんなところに呼ばれる講演家に。
「お母さんとお母さんをつなぐ」をコンセプトに『子育て万博』を主催。妻とともにお母さんコミュニティー『プレシャス』を主宰し、名古屋にてお母さんのための寺子屋『ラブリー』を開校。
また、STRインストラクターとして年間350名が入門講座を受講。その上位講座である門下生養成プログラムは全国16都道府県から参加し、3日で満員御礼となる。
365日、子育てからパートナーシップまで、人妻たちの悩みに寄り添う生活を続けている。
妻と3人の子どもの5人家族。1978年生まれ。出身地名古屋。