なぜ僕らはすれ違うのか!物事をハッキリ言わない人とハッキリ言う人


先日、サウナの中でテレビドラマをぼんやり眺めていたら、面白いシーンがあった。

旦那さんがプレゼントした傘を妻がとても喜んでいる。

子どもたちが「お母さん、良かったね」と笑い合う。

そんな微笑ましいシーンだ。

 

 

そのあとのやりとりがいかにも学びが多かったのでシェアしたい。

 

 

旦那さんが言う。

「そんなに喜んでくれるなら、また買ってくるよ。欲しい物を教えてくれよ」

 

それを聞いて、子どもたちが言う。

「ママはいつも言ってるじゃない?」と。

 

 

旦那さんは、「えっ?」と驚いた表情を見せ、「そうだっけ?」と聞き返すのだ。

 

 

すると、子どもたちが、「ほら…」と言いながら、場面は回想シーンに変わる。

 

 

その中で奥さんが、

「パパ、この服、可愛くない?」

「最近、電子レンジの調子が悪いのよね」

なんてやりとりをするのである。

 

 

これが、STRでお伝えしているところの、「直球型」と「変化球型」の会話のすれ違いである。

 

 

奥さんは

「パパ、この服、可愛くない?」

「最近、電子レンジの調子が悪いのよね」

と伝えながら

「この服が欲しい!」

「新しい電子レンジが欲しい!」

と伝えているのである。

 

 

旦那さんは

「その服が可愛いんだ」

「電子レンジの調子が悪いんだ」

と情報を受け取っている。

 

 

夫は理解したと思い、妻は理解してもらえないと思う。

人間関係はこれだから難しいのである。

 

 

あなたにはカレーライスに見えないのですか?

妻の「質問」が僕は苦手だ。

何を尋ねられているのか、わからないのである。

 

 

先日、朝起きてきてキッチンをのぞいたら、鍋の中にカレーがあった。

夕食の残りである。

僕はそれを温めて、皿に盛り付け、スプーンを口に運んだ。

 

 

すると、やってきた妻が一言、こう尋ねた。

 

「あら?カレーライス食べてるの?」と。

 

「僕は思わず、これが何に見えるの?」と、聞き返してしまった。

僕が食べているのは、明らかにカレーライスで、臭いもカレーライスなのだから、誰がどう見てもカレーライスなのだ。

 

 

「カレーライス食べてるの?」と尋ねられたので、もしかしたら妻にはラーメンに見えているのかもしれないと思い、「これが何に見えるの?」と質問したのである。

 

 

「えっ?カレーライスだけど」と答える妻を見て、僕の頭の中にはたくさんの「?」が浮かんだのだけれど、その話を講座の中でしたら、「変化球型」のみんなから「くれちゃん、わかってないな」と非難轟々だった。

 

 

それを聞いて、「直球型」のみんなが、「いや、くれちゃんの気持ち、わかるわ」と答えた。

僕らの間には「大きな壁」が存在していて、この感覚はなかなかわかり合うことは難しいのである。

 

質問は会話のきっかけ

彼女たちからしたら、質問は「会話のきっかけ」でしかない。

「あら?カレーライス食べてるの?」をきっかけに、会話が始まるのである。

「うん、食べてるよ。美味しいね」なんて答えると、「そう、一生懸命作ったの」なんて感じで、話が膨らむのである。

 

 

それで試しに、受講生の水筒を指差して、「これって水筒?」と尋ねてみた。

すると彼女は、「そうなの!可愛いでしょ?」と答えた。

 

 

僕は(なるほどな)と思った。

 

 

「THERMOS」と書かれた金属の筒。

誰がどう見ても「水筒」である。

 

 

この「誰がどう見ても水筒」な物に対して、「これって水筒?」と尋ねるのは、どうも馬鹿みたいに思えるのだけれど、ここから「会話」が始まるのである。

 

 

例えば、受講者さんが「スマホ」を口にくわえ、ゴクゴクと喉を鳴らし、「プハーーっ!うめぇぇぇ」と言ったとしよう。

僕は思わず、スマホを指差して「これって水筒?」と尋ねるだろう。

 

これは理解できる。

だが、あれは理解できない。

やはり、僕らの間には目に見えない「大きな壁」が存在するのだと思う。

 

 

私のこと、見えますか?

「ただいま」と帰ってきたら、妻が僕を見て「帰ってきた?」と尋ねた。

僕は思わず「えっ?僕の姿、見えませんか?」と質ね返した。

 

 

幽霊か何かに見えたのだろうか?

 

 

僕はすでに亡くなっていて、この世にいなくて、そんな僕がフラッと玄関から入ってきたので、思わず「帰ってきた?」と尋ねたのかと思った。

 

 

残念ながら、僕はこの世界にまだ現実に生きていて、ほぼ毎日帰ってきているわけで、玄関から「ただいま」と言って帰ってきたら、それは「帰ってきた?」と尋ねる必要はなく、「帰ってきている」なのだけど、そんな話をしたら、みんなが「くれちゃんって面倒臭いよね」と言うので、今日はここまでにしたい。

 

 

まー、そんなわけで、この世界にはそういう2通りの人間がいることを押さえておきたい。

 

 

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・TikTokフォロワー8万人の「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。