妄想の世界で生きるな! ー事実は何か、フォーカスするー
夕食のとき、旦那さんが一言、こう呟きました。
「醤油差しの醤油がないな」
それを聞いて奥様、自分を責めているように感じたんだそうです。
醤油差しに醤油を補充できていないことを指摘された、と思ったんですね。
人の気持ちというのは、本当に面白くて。
心地よく生きるために、僕らが心がけておきたいのは、事実と意見を分けておくということです。
だいたい、人の感情を揺さぶるのは、勝手な妄想です。
「醤油差しの醤油がない」は事実です。
これはもう、どこまで行っても「醤油差しの醤油がない」以上の情報はありません。
でも、人間はここから勝手な妄想が始まります。
「旦那が私に怒っている」とか「醤油差しの醤油を補充できないダメなやつだ」とか。
あれこれ、勝手に考えます。
旦那さんは一言もそんなことを言っていないのでだけど。
感情を揺さぶられるときは、勝手な妄想から始まる。
これ、覚えておいてください。
事実は「醤油差しの醤油がない」なので、醤油を補充すれば終わりです。
自分で補充しなくてもいい。
旦那さんに醤油の瓶を渡して「補充しておいて」と言うだけでもいい。
そんな話を別の人としていたら、私だったら「どっちが補充するか、じゃんけんしよ!」って言うと話していて、「面白いな」と思いました。
事実は一つしかありませんが、その言葉の受け止め方は千差万別なんですね。
つまり、あなたがその事実をどう受け止めるか、で世界は違って見えるよ、という話なんです。
人が怒りを感じるメカニズムって面白くてね。
たとえば、あなたが相手を怒らせたとするじゃないですか?
そういうときって、だいたい理不尽に怒られるんですよ。
なんか突然感情的になって、ワーワー怒り出す。
なんなんだ、この理不尽さは!みたいに思う。
これ、結局、相手の中で勝手な妄想が始まってるんですよね。
きっと相手はこうなんだ!どうせ相手はこうなんだ!
そんな勝手な妄想が広がる。
すると、感情が揺すぶられて、怒りに変わるわけです。
怒られた方は事実に基づかない、勝手な妄想で怒られますから、たまったもんじゃありません。
なので、「理不尽に怒られた」という気持ちになるのです。
だから、まずは自分の「妄想癖」を知っておくといいです。
事実は何なのか、にフォーカスすれば、勝手な妄想に気づくはずです。
事実は「醤油差しの醤油がない」であり、それを「旦那さんが言葉にした」というだけです。
別に責めていません。
たとえそれが責めるような語調だったとしても、それは相手の話し方やそのときの気分によるものかもしれません。
究極のところ、「醤油差しの醤油がないなんて、お前は何てダメな妻なんだ!」と言ってきたとしても、あぁ、この人は私のことを「醤油差しの醤油がないなんて、お前は何てダメな妻なんだ!」と言ったんだな、と思うぐらいですか。
事実は事実として受け止める。
んで、さあ、どうしようかな?を考える。
それだけでいいと思うんです。
「ひどい!なんで私を責めるのよ!」と思う世界を作るのもあなた。
「どっちが補充するか、じゃんけんしよ!」と思う世界を作るのもあなた。
どちらの世界で生きていきたいか。
妄想の世界で生きると、心がクタクタになるのですよ。