歩くスピードが違うことから学んだ「相手を思いやる」ということ


先日、あるセミナーの主催をした。

講師をホテルに送り届け、チェックインをしてもらっている間に、ホテル近くのセミナー会場に行って、準備をすることにした。

 

 

それで、一緒に主催している女性と二人で行くことになったのだけど。

距離にして200メートルほど。

なので、二人で並んで歩いていった。

 

僕は少しだけ前を歩いていた。

ふと斜め後ろの彼女に目をやると、小走りしている。

(急いでいるのだろうか?)と思った僕は少し歩みを早めた。

 

 

彼女は「顔だけ出したら帰ります」と言っていたので、(きっと次の予定があるのだろう)と思った。

 

 

僕が歩くスピードを早めると、さらに彼女は駆け出した。

それで僕は「そんなに急いでるんですか?」と尋ねた。

 

 

彼女は首を横に振って「全然急いでないです」と言った。

それで、僕はハッとして「もしかして僕の歩くスピードが速いんですか?」と尋ねた。

 

 

彼女は首を縦に振り、「くれちゃん、歩くの速い!」と言った。

僕は笑って、歩を緩めた。

 

 

僕は彼女に合わせたつもりだった。

でもそれは「つもり」だった。

 

 

駆け出す彼女を見て、「急いでいるのだ」と勝手に想像した僕。

僕の歩くスピードに合わせた彼女。

 

 

どちらも相手に合わせているつもりだったけれど。

言葉を交わし合えば簡単に解決する問題だったように思う。

 

 

面白いものだ。

人間関係の中では、こういう出来事が無数に起こっているのだろう。

「わかったつもり」とか、「わかっていてくれるだろう」とか。

 

 

相手を思いやるということは、勝手な想像を働かせて、先回りをすることではない。

相手の言葉に耳を傾けること、まずは聞いてあげること。

何より話せる関係性を作っておくこと。

 

 

相手と真摯に向き合うことこそが、相手を思いやることである。

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」として人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・2018年~2019年 100人のボランティアスタッフをマネジメントして『子育て万博』を主催。

・2021年~2024年 パリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフのマネジメントを担当。

・経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムCrewDocks®︎を開発。企業研修など精力的に活動中。