『やられたらやり返せ!』

やり返せるぐらいならやられないさ

ついつい言ってしまう言葉。

 

「やられたらやり返せ」

 

 

友達にイヤなこと、されたんだって。

「友達に叩かれた」とか、

「いじわるされた」とか、

「悪口言われた」とか。

 

 

そんなとき、

大人はついつい

「やられたらやり返せ」

なんて言ってしまう。

 

 

でも、忘れないでほしい。

 

 

やり返せるような子は、

やられたりしない。

 

 

そもそも、

やられたりしないし、

その悔しさを先生や親に訴えたりしない。

 

 

だから、

「やられたらやり返せ」は、

子どもを苦しめるんだ。

 

 

じゃあ、ノコノコと親や先生が出ていくのはどうだろうか。

うまく行くときもあるし、うまく行かないときもある。

 

 

だって、僕らは万能じゃないから。

一見うまく行ってるようで、

実は地に潜ってしまったりして。

目に見えない形にエスカレートすることだってある。

 

 

だから、いじめの指導って、簡単じゃないわけさ。

 

 

そんなときは、子どもの目の前にメニューを並べてあげよう。

 

 

たとえば、僕が「先生」と言う立場ならばこんなメニューが考えられる。

 

「先生が直接指導する」

「互いが話し合いをする場に先生が立ち会う」

「家に連絡する」

「ほっておく」などなど。

 

 

こちらにできることをまず提案するでしょ。

選ぶのは子ども。

 

 

たとえば「ほっておく」を選択したならば、こんな言葉を付け加えておくのがいいだろう。

「先生は手も口も出さないけれど、そのかわり何かあったらちゃんと教えてな。心配してるからな」

こういうきめ細いフォローって大事だな。

 

 

こう言うとき、本当にほっておいたら、ダメだからね。

子供の選択をしつつ、裏でガッツリ動いてんのがプロね。

 

 

んでもって、

「俺はお前のこと、

 気にかけてるからな」

ってスタンスはちゃんと伝えたい。

 

 

僕らがコントロールできるのは、

自分の行動だけ。

 

そして、

周囲に与えられるのは「情報」だけ。

 

 

 

だから、自分自身にできることにフォーカスしよう。

そして、子どもに提案しよう。

この提案こそが「情報」さ。

 

 

子ども自身が選ぶ。

もしかしたら、選択肢以外にも応援してほしいことがあるかもしれないね。

 

 

だから、じっくり耳を傾けよう。

でも、最後の選択は、「この子」なんだ。

だって、変えられるのは自分だけなんだもん。

 

 

子育てに迷ったときに出逢いたい100の言葉

やり返せるぐらいなら、やられないさ。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。