あなたの働き方はキャベツを超えられていますか?


キャベツが1玉1000円だという。

時給1000円の場合、あなたの1時間の価値はキャベツ1玉である。

 

 

そんな投稿を見つけた。

なるほどな、と思う。

 

 

物価が恐ろしく上がっている。

それに合わせて賃金が上がっているかというとそうではない。

 

 

理屈は簡単で、原材料の高騰によって上がった物価のため、利益が上がっているわけではないからだ。

 

 

100円で仕入れて200円で売っていたとする。

利益は100円である。

 

 

仕入れが200円になった。

だから、300円で販売している。

すると、やはり利益は100円である。

 

 

そんなに難しい理屈ではなく、僕らの暮らしはどんどん圧迫されている。

 

 

物の値段が上がり、給料は変わらない。

そういうことがもうずーっと続いている。

かれこれ30年ぐらい続いているらしい。

 

 

実際のところ、生活レベルが上がらない日々に麻痺してしまったのかもしれない。

 

 

どこかで「こんなもんか」という、あきらめモードに入っているところがある。

 

 

それでも、ちゃんと自民党が勝つところを見ると、日本ってなかなか興味深い国だよな、と思う。

 

 

投資家チームとZOOMしてて、「今年は時代の分岐点になる」という話をしていた。

 

 

富める者と貧しい者の格差が拡がる。

そこには大きな川、いや谷ができて、とてもではないが越えられない溪谷となる。

 

 

そういう未来がわかっていても、人は動けない。

「結局自民党が勝つ」みたいなのも同じ理屈で、とにかく僕らは変化を嫌う。

 

 

いろいろと新しいことを始めてみる。

そういうのはみんな好き。

 

 

でも、それによってライフスタイルとか人間関係に変化が現れると、途端に動きが止まる。

 

 

本能が「変わらないこと」を選ぶのである。

コンフォートゾーンにいる自分を維持しようとする。

 

 

人間というのは、自然界においては弱者である。

空に羽ばたくことも樹木に素早く登ることも、水面を疾風が如く泳ぐこともできず、かといって巨大な牙も鋭い爪もなく、力も弱い。

 

 

そういう僕ら人間が生きるためにしてきたことは、「集団で暮らす」ということだった。

 

 

そのため、「変化を好まない」必要があった。

集団を維持するためには、「長いものに巻かれる生き方」が必要だったのである。

 

 

好奇心はあって新しいことを始めるのだけど、生命を維持するためには、ライフスタイルや人間関係の変化を本能的に嫌うわけだ。

 

 

したがって、新しいことというのはほとんどの場合、継続できない。

 

 

その1番の原因は「動機を忘れる」である。

よく「ワクワクすることを始めた方がいいよ」というけれど、ワクワクして始めると、ワクワクしなくなって終わる。

 

 

「なぜ私はそれをやるのか」

 

これを明確にするといい。

自分の夢をまとめたウイッシュリストとか、夢を見える化したドリームマップなどが有効なのは、「なぜ私はそれをやるのか」を忘れないためである。

 

 

先日、あるママ起業した方と「103万円の壁」の話をしていて、「はるか遠くに壁があって、全然壁が見えない」という話をしていた。

 

 

パートやアルバイトの人にとって、年末になると確実にやってくる「103万円の壁」は、「起業しました」という人の多くにとって、「はるか遠くにある壁」だったりもする。

 

 

やれSNSだ!やれ告知だ!

メルマガ書いて、動画作って、マルシェに出展して、ZOOMして、コンサルつけて、起業塾に通って…。

 

 

あぁ、よくよく考えると1時間あたりの価値がキャベツ半玉、もしくは4分の1カットになっていやしないか。

 

 

そんなことをキャベツを見ながら考えている。

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」として人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・2018年~2019年 100人のボランティアスタッフをマネジメントして『子育て万博』を主催。

・2021年~2024年 パリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフのマネジメントを担当。

・経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムCrewDocks®︎を開発。企業研修など精力的に活動中。