授業妨害に困ったときは…

授業離脱 授業妨害

ある先生からのメッセージ

先日、授業にお悩みの先生からメッセージをいただきました。

メッセージから考えたことを書いてみました。

 


担当教科が実技科目のため、3学年全てのクラスで授業をしています。

そこで、ある学年の授業に行くと、本当に疲れてしまいます。

立ち歩きはしないものの、席が離れた者同士でも、普通の声で普通に私語。

身体はすぐに横を向いてしまう。

注意をしてもすぐにザワザワザワザワ。

足も机から出す。

腕も後ろの席に置く。

最初と最後の挨拶もなかなかできない。

やり直しを何度もすると余計にダレる。

点でしんどいのではなく、広い面でしんどい感じです。

必要な座学がたくさんあるので、どう興味をもたせるか…本当に苦戦の、日々です。


以前はもっとしんどかったようで、ずいぶんマシになったようなんですが、あのザワザワの中で授業は進められず…。

すぐに止まってしまいます。注意をしてもすぐに暴言(うざい!きもい!だるい!)が出ることもあります。

でも、去年からいる、怖い先生の授業はとても静かです。静かにできるんです。
でも、授業とかになると、ザワザワとほとんどのクラスがしんどい感じでした。

私は怒鳴る指導はあまりしたくないし、しても通用しないのはよく分かっています。

恐さも全くありません。

で、心に訴えられるようにと…まず信頼関係を…と、授業でしんどかった生徒と休み時間に話したりしています。

個人的に話をして私の思いを伝えたい!(なぜ授業中はお喋りしてはいけないか分かって欲しいなど)と思って、授業中一番気になった生徒を呼んで話していました。

周囲のこと、将来のこと…話をしますが全く通じません。

右から左という感じです。


同じ学年の先生に相談したら、厳しく怒って下さい!

ガツンと言って下さい!

話しても通じないから。

との返事で…なかなか納得いかず…今に至っています。

だからと言って私も上手く40人をこちらに向かせるような指導はできずに、毎日本当に悩んでいます。

もちろん、授業に力を入れるのは当然だと思っていますが。

でも、なかなか実技科目、女教師ということで、ナメナメです。

授業妨害をする生徒にはどうすればいいんだろうと…。

一人一人注意をすると果てしなく…注意で授業が終わってしまいます。

頑張っている子を褒めて、無視して進める…。

これも、妨害生徒が数人なら、何とかなるのですが…人数が多いので、放っておいたらすごいザワつきになってしまいます。

結局怒鳴りちらすしか方法がないのか…とか、作業ばかりにしてしまうか…とか、そんな逃げばかりを考えてしまいます。

先生ならどの様な指導をされますか。アドバイスがいただければ本当にありがたいです。

 

さて、どんな言葉を届けましょうか。

 

子どもたちとは戦わないの♪

黒板を書いていたら、後ろから殴られる。

そんな経験をしたことはありますか?

僕には、そんな経験があります。

以来、子どもたちに背を向けることはほとんどありません。

 

ゴルゴ13かっ⁉︎

 

…とまあ、そんな経験を積んできて今に至ります。

授業妨害なんて山ほど味わってきました。

 

そんなときもね、僕の頭の中にあったのは、

「さあ、どうやって楽しませようかな?」

というワクワクです。

 

「俺は小学生のときから一度も授業を受けたことがない!」という少年に「おいっ!国語、おもしろいな」と言わせたときはね、もうね、心の中でガッツポーズしちゃいました。

 

高ければ高い壁の方が♪

登ったとき気持ちいいもんな〜♪

(Mr.Children『終わりなき旅』)

 

まず戦わないこと。

学校を立て直すときに僕が最初に行うことは戦うことをやめることでした。

受け止めるけれど、戦わない。

寄り添うし、わかってあげる。

注意するより受け止めてあげる感じですね。

 

ついつい先生というのは、指導するのが仕事だと考えがちです。

でもね、その言葉に耳を傾ける準備は、まだ子どもたちにはないのですから戦わない。

 

ニコニコで受け止めろ♪

授業遅刻をしてきた子がいました。

「おいっ!プリントくれっ!」って言うんですね。

「はい、どうぞ」って手渡したんです。

そしたら、彼どうしたと思いますか?

なんと、目の前でそのプリントを破って、床に捨てたんです。

で、席に戻っていく。

 

叱ります?

叱りますよね?

そういうときは、注意するのが普通ですよね?

注意しなければいけませんよね?

 

でもね、僕は注意なんてしません。

僕はね、こう受け止めたんです。

 

「あ〜なるほどな〜。

破りたかったのか〜」

 

プリントを目の前で破り捨てる姿を見て、「こりゃけしからん!」と思うのも自分。

「むむむっ!こりゃおもしろい!」と思うのも自分。

起こった事実に意味づけしているのは自分です。

 

せっかくなので、席についた彼に、もう一枚渡しました。

みんなの前で強がりたかっただけかもしれません。

単純にプリントを破るのが好きなのかもしれません。

まあ、どっちだっていいんだけどね。

新しいプリントがあれば、破ることも勉強することもできます。

で、授業中にそっと彼の机の上に置きました。

まあ、彼はそのままふて腐れて寝てましたけど、2枚目のプリントは破られませんでした。

 

「破らんのか〜い!

 寝るんか〜い!」

と心の中でツッコんだら、妙に楽しい気分になりますよ。

 

んでね、そんなものの見方をしていると、いつだってニコニコしていられるわけです。

ニヤニヤじゃなくてニコニコ。

うまくいかなくてもニコニコ。

 

「先生ウザいんだけど!」

「えーっ!ヒドイこと言うね。傷ついたー」と言いながらニコニコ。

 

その方が、楽しくない?
 
 

指導して管理しようとする。

それが一般的な教師のやり方です。

でもね、それはうまくいかなくなってきてる。

そのことに気がつかないと、教室は先生にとっても子どもたちにとっても苦しい場所になってしまいます。

 

戦ったら、相手も戦うよ。

 

だって、世の中は鏡だもん。

大切にしてあげたら大切にされるの。

だからね、戦わないで受け止めること。

大切にしてあげることがスタートラインなのだ。

 

ハッピーな子どもを育てる大人になるためのしつもん

この子の抱えている痛みは何だろう?

 

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くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」として人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・2018年~2019年 100人のボランティアスタッフをマネジメントして『子育て万博』を主催。

・2021年~2024年 パリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフのマネジメントを担当。

・経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムCrewDocks®︎を開発。企業研修など精力的に活動中。