朝の会で使える『魔法の質問』

学級 悩み 朝の会

1分間スピーチに『魔法の質問』を

朝の会(短学活)で、どんなことをされていますか?

僕のクラスでは、「1分間スピーチ」をしています。

 

「なんだ…、そんなのどこでもやってるじゃん」

 

そうですよね。

僕は、そこに『魔法の質問』を取り入れています。

 

僕が出す「しつもん」に答えるという形で、スピーチをしていきます。

スピーチをするのは、その日の日直さん(朝の会の司会)です。

日直さんが一巡するまで、「しつもん」は変えません。

 

たとえば、こんな「しつもん」。

「もしも、だれかと変われるとしたら、だれになりたいですか?」

 

おもしろいのは、本当に真剣に「答え」を考えた子の話は、みんな真剣に聴きます。

ところが、自分の心と向き合えていない子の話は、シラ〜っと聞きます。

魂でしゃべってるかどうかって、伝わるんですよね。

 

ある子が、こんな子を言うんですね。

 

「ずっと、考えてたんです。

 だれと変わりたいかなって。

 で、気づいたんです。

 私は、私がいいなって」

 

朝から、感動です。

そんな言葉を、クラスメイトが言うんです。

で、みんな考えるわけです。

 

「あ〜っ、そうか!だれになりたいか、考えてもでてこなかったのは、そこか。

 自分、今のありのままの自分が大好きなんだ」

 

まったく意図していない着地点。

でもね、それが学級担任のおもしろさ。

子どもたちと過ごす「幸せ」なんだと思います。

 

掘り下げていく「しつもん」

こんな「しつもん」をしたこともあります。

 

「あなたが今、心から手に入れたいもの、一番欲しいものは何ですか?」

 

テレビゲーム、スマホ、タブレット。

そんな物が欲しいという子がいます。

 

一方で、「良い成績」「素敵な彼女♡」なんて子もいます。

 

おもしろいのは、ここからです。

子どもたちの「答え」に合わせて、追加の「しつもん」をします。

 

「あなたが今、心から手に入れたいもの、一番欲しいものは何ですか?」

 

この「しつもん」に対する追加の「しつもん」。

 

それは…

「それを手にいれるために、あなたができることは何ですか?」

 

その話を聞いてね、学級みんなで応援できることがあれば、応援してあげるの。

「いいね」って、受け止めるだけでもいいの。

学級経営って、ホントにおもしろいんだから。

 

「しつもん」に安心して答えられるクラスをつくる

「しつもん」の答えは、全部が正解です。

これは、とっても大切なことです。

 

すべてを正解と受け止めてもらえるからこそ、僕らは「しつもん」に安心して答えることができます。

「否定されない」という環境です。

 

「え〜っ!そんなのおかしくない!」

「君、間違ってるよ〜!」

というクラスで、安易に「しつもん」を用いることは危険です。

 

「しつもん」の答えではなく、非難されない「正答」を探してしまうようになってしまいます。

 

ですから、「しつもん」が学級で使えるのは、「すべてが正解」と受け止める土壌が学級に育っていることが大前提。

学級が安心・安全な場所になっているか。

それがないとね、当たり障りのない言葉しか出てこないんだなぁ。

 

だからね、その土壌を作れているか。

問われるのは、大人の側なんですね。

 

 

ハッピーな子どもを育てる大人になるためのしつもん

教室を安心安全な場所にするために、できることは何だろう?

 

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くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。