保護者から応援される方法
世の中の仕組みを理解する
僕には保護者と戦っている時代がありました。
「どうしてこの保護者はわかってくれないのだろう?」
「なんで学校教育を理解してくれないのだろう?」
そんなふうに思っていた若いころ、僕は保護者に応援されるような教師ではありませんでした。
保護者会が大炎上を起こし、30分間、明日のジョーのようにサンドバッグ状態になったことがありました。「立つんだ、ジョー!」と叫んでくれる人はおりませんでしたので、完全に戦意喪失、グロッキー状態。打ちのめされた僕は、ますます保護者を苦手とするようになっていました。
保護者と戦っているとき、保護者に応援されることはありません。そんな当たり前のことにすら、僕は気がつくことができませんでした。
自分のことを押し通せば、壁をつくるばかりです。
ここに世の中の大事な仕組みが存在します。
それは、自分の周囲で起きていることは、自分が引き寄せているということです。
「どうしてこの保護者はわかってくれないのだろう?」
「なんで学校教育を理解してくれないのだろう?」
という状況を引き起こしているのは、僕自身だったのです。
世の中とは、あなたを映す鏡のようなものなのですね。
応援するから応援される
世の中が鏡のようなものだとすれば、保護者に応援されることなど簡単です。
保護者を応援すればいいんです。
応援されるから人は応援したくなります。
さて、お母さんを応援していますか?
あのころの僕は、まったく応援などできていませんでした。もちろん、あのころの僕には保護者を応援できるだけの知識も経験もありませんでした。あったとしても、そもそも応援する気すらなかったのですが…。
当然、応援などされなくて当たり前です。
「お母さんを応援する」
これ、すごく大事なことだと思います。
たとえば、幼稚園で母の日に工作でプレゼントを作ったりしますよね。あれだって、お母さんにとっては励みになります。もちろん、お母さんのいない子への配慮は必要ですが。
励みになるって、一つの応援だと思うのです。
さあ、お母さんへのエールを贈ろう
僕は、学級通信に自分の子育てのことをよく書くのです。そして、そのたびに込めるメッセージはただ一つ!お母さんへのエールなのです。
「子育てって大変なんだ!」
「我が子の子育て、うまくいかないなぁ」
「幼稚園まででも大変なのに、中学生まで育てるって大先輩だな」
「君たちの言葉は、親が言葉のシャワーをかけてくれたから、話せるんだよ」
「愛情という言葉の意味は、愛されたことのある人間にしかわからないよ」
学級通信は100%、保護者に向けて書いています。一見、子どもへのメッセージのような書きぶりでも、心の中ではお母さんに向けて書いています。
お母さんの子育てを応援する、そんなメッセージをお届けします。
個人懇談会でもそう。伝えるのはお母さんへの感謝、ただ一つ。
「こんな素敵な子どもと出会わせてくれてありがとう!」
これを伝えるために個人懇談会をやっているようなものです。僕にとって個人懇談会は、「お母さんへの感謝の会」なのです。
そうやって、出会う人すべてを応援する。とりわけ、お母さんを応援する。すると、応援は必ずあなたのもとに返ってきます。
「応援するから応援される」
世の中はそういうふうにできています。
ハッピーな先生になるためのステップ
感謝の気持ちでお母さんを応援する。