子育て依存症が毒親を生み出す ~子どもに干渉しすぎることで気持ちよくなる子育て~


何かに依存する。

お酒、ドラッグ、セックス、恋愛…。

僕らを取り巻く世界には、様々な快楽があって、それを心の拠り所にしてしまう、なんてことがあるようです。

 

 

自分自身の心が不安定なとき、特定の要因によって快楽物質であるドーパミンが分泌されるようになります。

依存症はこのドーパミンによって、それが人生のすべてのように感じさせるのだそうです。

言ってみれば、生きがいになってしまうんですね。

 

 

お酒が生きがい、ドラッグが生きがい。

そんなの、本当はおかしいのだけど。

心のバランスが崩れるというのは、そういうことなんです。

 

 

宗教も近いものがあるかもしれません。

仏壇に手を合わせたり、神社でお祈りをしたり。

そういうことは誰もがすることですが。

私財を投げ売って、借金を抱えてでも寄付をしてしまう。

それが人生のすべてになってしまうと、バランスを欠いた暮らしになってしまいます。

 

 

恋愛も同じです。

この彼氏がそれが人生のすべてになってしまい、自分のカラダを売ってまで貢いでしまう。

それは歪んだ愛の形と言わざるを得ません。

 

 

だから、これって子育てでも同じなんです。

我が子がそれが人生のすべてになってしまうのは危うい。

もちろん、僕だって我が子はかわいい。

この子たちのためなら、自分のすべてを差し出せます。

 

 

彼らが病気になって臓器が必要なら喜んで差し出します。

輸血が必要なら血液はすべて抜いてもらっても構いません。

そう考えると、人生のすべてと言ってもいいかもしれません。

 

 

ただ、何が違うかというと、彼らの人生に介入しようとは思わないことです。

干渉しないこと。

これが大事だと思っていて。

 

 

全力でサポートはするけれど、干渉はしない。

このスタンスでいられれば良いのです。

 

 

子どもに依存してしまう状態というのは、子どものやることに手を出し口を出し干渉します。

言わば、子どものお世話をすることで、ドーパミンが出るような状態です。

親が過干渉になるのは、干渉することが気持ち良いからです。

 

 

こういう親にとって、子どもが成長することは都合の良くないことです。

子どもが成長すると、お世話をする必要がなくなり、干渉することができなくなるからです。

 

 

子どもを成長させない方法は、親が何でも手を出すことです。

何もしなくて良い状態を作り出せば、子どもは成長しません。

また、何でも口を出すことです。

何でも口を出して、親の言う通りにすれば良い状態を作り出せば、子どもは考えなくなります。

 

 

このようにして、「この子は私がいないと何もできないの」という状態を作り出せば、常に干渉することができるようになります。

すると、干渉することで気持ちよくなれるのです。

こういう親のことを毒親と呼んだりします。

 

 

「あなたは◯◯だから」と決めつけることで成長を食い止めます。

「あなたのためにやっているのよ」と自分の行為を正当化します。

褒めないし、認めない。

親の思った通りに行動するように手出し口出しをする。

 

 

 

そうなると、子どもたちは本当に苦しむことになります。

子育てを生きがいにしてはいけないし、子育てを人生のすべてにしてもいけない。

それは、子どもにとって重荷でしかありません。

 

 

だから、親も親で好きなことをやって、その上で子どものサポートをすればいいのです。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」として人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・2018年~2019年 100人のボランティアスタッフをマネジメントして『子育て万博』を主催。

・2021年~2024年 パリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフのマネジメントを担当。

・経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムCrewDocks®︎を開発。企業研修など精力的に活動中。