夫婦のすれ違いは伝えるべきことを伝えぬことから始まるのです。


彼女は旦那さん思いの奥さんでした。

自分だって好きなことをやりたいけれど、旦那さんのことを思えば(申し訳ないな…)が顔を出す。

そんな女性でした。

 

 

彼女にはどうしても行きたいイベントがありました。

でも、その日は土曜日。

旦那様もいっしょに過ごすことを楽しみにしています。

 

 

だから、「イベントに行きたい」となかなか言えない奥様。

「今週末、何する?」とウキウキした旦那様。

 

 

そんな折、奥様、ちょっと体調を崩してしまわれたのだそう。

(これはもう、イベントはあきらめるしかないな)

そんな気持ちで、奥様、沈み込んでしまいました。

 

 

ところが、です。

週末に向けて、奇跡的に身体が回復していきました。

 

(これならイベントに行けるかも)

 

 

奥さんは期待に胸を膨らませるわけです。

と同時に、自分が体調が悪いときに、家事の一切を切り盛りしてくれた夫のことも気がかりです。

 

 

せっかくの週末なのに、私だけで出かけるなんて…。

そう思えば、なかなか切り出すこともできないのです。

 

 

すると、不思議なものです。

娘さんが胃腸風邪にかかってしまったのだそう。

 

 

これで、妻は母として、イベントのことはスッパリあきらめがついたのだそう。

面白いのはここからで、スッパリあきらめがついたら、旦那様にその話ができるようになったのだとか。

 

 

不思議なものです。

 

 

「私、こんなイベントに行きたかったんだけど、言い出せなかったんだよね」って。

そして、「子どもが風邪を引いたから、あきらめたんだけど」と伝えました。

 

 

すると、どうでしょう。

旦那さんは寂しいそうにつぶやきました。

 

 

「行ってくればよかったのに…」

 

 

子どものことは心配いらない。

あなたはあなたの好きなことをすればいいんだよ。

そんな愛にあふれた旦那様でした。

 

 

でもね、奥様、後に述懐してこうおっしゃるのです。

 

 

「私、嫌われるのが怖かったんだと思います」

 

 

ダメな妻、ダメな嫁。

そう思われるのが怖くて、良き母・良き妻を一生懸命演じてみる。

それはとても苦しいことです。

 

 

旦那様だって心得ていて、妻にそこまでは要求していない。

そんなことも多くあります。

 

 

話せばわかること。

伝えあえば分かり合えること。

僕らにはたくさんあると思うのです。

 

 

夫婦だからこそ、伝え合える。

夫婦であっても、伝え合わねばわからない。

そういうものだと思うのです。

 

 

「私、このイベント行きたいんだよね」

 

 

その一言は、実は信頼の証です。

我が家など見てください。

妻がよくいなくなります(笑)

 

 

信頼の証です。

えっ?信頼の証ですよ。

なんですか?

ほったらかし?

 

 

いやいやいやいや。

信頼の証っすよ。

 

 

ってなわけで、夫婦ってものは話し合わねばならぬのです。

伝え合わねばならぬのです。

 

 

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。