なぜ私は怒りで壁を蹴ってしまうのですか?


小学生の女の子からの相談です。

思い通りに行かないと、イライラして壁を蹴ってしまう、と言うのです。

 

 

イライラして壁を蹴ってしまう。

そんなことは子どもだけでなく、大人にもあるものです。

 

 

では、大人と子どもは何が違うのでしょうか。

それは、壁を蹴ってしまったとき、「しまったな」と思えるかどうかです。

 

 

子どもは、とりわけ小さな子どもは、その感覚はありません。

だから、おもちゃを買ってもらえないと床で駄々をこねてひっくり返ったりします。

大人はそれをしません。

 

 

なぜかというと、「恥」というものを知っているからです。

床に寝転がって駄々をこねるのは、恥ずかしいことだと知っているからです。

 

 

子どもはそれを「恥ずかしいこと」だと思っていませんから、平気でそれをやります。

そういう子どもを見て「恥ずかしい」と思う親は、なんとかなだめようとします。

 

 

さて、あなたは壁を蹴って、それを悪いことだと認識しました。

そんな自分はダメだと思い、相談しました。

これはとても素晴らしいことです。

 

 

なぜならば、あなたは「イライラして壁を蹴ってしまう」ということを恥ずかしいことだという認識ができているからです。

そんなの当たり前でしょ?と思わないでください。

 

 

大人の中にも、自分の気持ちを抑え切れない人がたくさんいます。

壁を蹴るだけでなく、怒りに任せて行動してしまう人は山のようにいます。

 

 

自分の意に反するという理由で、SNSで執拗に絡み続ける人もいます。

自分勝手な理由で暴力を振るう人もいます。

 

 

ブレーキを持っていないのです。

心を制御するブレーキです。

 

 

たしかに、壁を蹴ることは「良い・悪い」でジャッジするならば、悪いことかも知れません。

でも、一番大事なことは、それが悪いことだと感じられる心を持っていることです。

 

 

あなたにその心があれば、何の心配もいりません。

行動は少しずつコントロールできるようになります。

イライラしたときに、「壁を蹴る」以外の対処法を見つけることがきっとできます。

 

 

だから、

「なぜ私は怒りで壁を蹴ってしまうのですか?」

という問いを持てたことが素晴らしいと思います。

 

 

この問いがもてたということは、あなたが大人の階段を上っている証拠だからです。

僕は今、そんなことを考えています。

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。