なぜ私は怒りで壁を蹴ってしまうのですか?
小学生の女の子からの相談です。
思い通りに行かないと、イライラして壁を蹴ってしまう、と言うのです。
イライラして壁を蹴ってしまう。
そんなことは子どもだけでなく、大人にもあるものです。
では、大人と子どもは何が違うのでしょうか。
それは、壁を蹴ってしまったとき、「しまったな」と思えるかどうかです。
子どもは、とりわけ小さな子どもは、その感覚はありません。
だから、おもちゃを買ってもらえないと床で駄々をこねてひっくり返ったりします。
大人はそれをしません。
なぜかというと、「恥」というものを知っているからです。
床に寝転がって駄々をこねるのは、恥ずかしいことだと知っているからです。
子どもはそれを「恥ずかしいこと」だと思っていませんから、平気でそれをやります。
そういう子どもを見て「恥ずかしい」と思う親は、なんとかなだめようとします。
さて、あなたは壁を蹴って、それを悪いことだと認識しました。
そんな自分はダメだと思い、相談しました。
これはとても素晴らしいことです。
なぜならば、あなたは「イライラして壁を蹴ってしまう」ということを恥ずかしいことだという認識ができているからです。
そんなの当たり前でしょ?と思わないでください。
大人の中にも、自分の気持ちを抑え切れない人がたくさんいます。
壁を蹴るだけでなく、怒りに任せて行動してしまう人は山のようにいます。
自分の意に反するという理由で、SNSで執拗に絡み続ける人もいます。
自分勝手な理由で暴力を振るう人もいます。
ブレーキを持っていないのです。
心を制御するブレーキです。
たしかに、壁を蹴ることは「良い・悪い」でジャッジするならば、悪いことかも知れません。
でも、一番大事なことは、それが悪いことだと感じられる心を持っていることです。
あなたにその心があれば、何の心配もいりません。
行動は少しずつコントロールできるようになります。
イライラしたときに、「壁を蹴る」以外の対処法を見つけることがきっとできます。
だから、
「なぜ私は怒りで壁を蹴ってしまうのですか?」
という問いを持てたことが素晴らしいと思います。
この問いがもてたということは、あなたが大人の階段を上っている証拠だからです。
僕は今、そんなことを考えています。