ママ友のつながりが子育てを難しくすることもある
学校では日々、
子どもたちはさまざまな事件を巻き起こします。
「学校の先生」は、
当事者同士の話を聞いたり、
周囲で見ていた子どもたちに聞き取りをしたり、
解決に奔走します。
まあ、そんなことは日常茶飯事なわけでして。
ホント、何でも屋さんです。
そういうことを毎日のようにしてきたわけです。
金八先生は週に1回しか事件は起きませんが、
現実の世界では、毎日何か事件が起きるわけです。
ありがたいことに、
そうやって毎日毎日、
子どもから話を聞く機会を
いただきました。
自然とカウンセリングのスキルは上がります。
おもしろいもので、
子どもの感情が見えるようになりました。
嘘か本当か、見抜く、いや見えるんですね。
ある子が言いました。
「先生は怖いです」
「なんで?」
「なんか全部、見えてる感じがします」
「は?」
僕は魔法使いじゃありません。
ただ、ず〜っと話を聞いてきたからでしょうか。
「あっ、今のは本当のこと言ってないでしょ?」
「ここからここはホントのこと言ってるけど、
ここって本当のこと言ってる?」
と、ピンポイントで気づいたりします。
不思議なものですね。
それで、
そんな毎日を繰り返してここまで来たのですが、
あるときゾッとする事件が起きました。
事件と言っても子どもたちの起こしたことなど些細なことです。
言った言わない、誘った誘われていないみたいな、人間関係のトラブルです。
関わっている子どもたちが多かったので、それぞれから話を聞いて、整理していきました。
おもしろいもので、子どもたちのトラブルなんて、もつれた糸のようなもので。
整理して解(ほど)いてあげればいいんです。
ただ、人間関係ができていないと、
「先生が出しゃばってこないでよ」
みたいになります。
大事なのは、
子どもたちとの関係です。
で、話を聞いて、誤解を解いて、みんなで顔合わせて話をして。
はい、おしまい!
こんなことは、
日常の風景ですから、
なんのことはありません。
ところが、
おもしろいのはここからで。
保護者から電話が入るのですね。
「学校の指導は間違っている」と。
それで、よくよく保護者から話を聞いていく。
保護者のLINEグループがあるんだそうな。
そこで展開されている話は学校が把握しているとは全然違うと言うのです。
親はそれぞれの子どもから話を聞くでしょ。
それから、関係のない子どもの親まで入ってくるでしょ。
思春期の子どもが、自分の人間関係のトラブルを懇切丁寧に話すとは思えないわけでして。
もうね、話に尾ひれがついて、もうわけわからない状態。
それに、こういうときって、終りかけたストーリーを終わらせたくない人がなぜかいて、蒸し返す蒸し返す。
「あの子は小学生のときはこんな子でね…」みたいな余分な話までくっついて。
そんなわけで、保護者のLINE上では、もう一つのストーリーが出来上がっていたわけです。
もう完全なる創作物です。
でね、
「いやいや、僕らは子どもたち全員を集めて話を聞いてますから」
と伝えるわけです。
で、おもしろいのはここからで。
「それはわかるんです」とおっしゃるわけだ。
「事実はそうかもしれないけれど。解決してほしいのは、子どもの問題じゃないんです。親の中でできあがった事件の方を解決してもらわなきゃ困る」
なんて言われるわけです。
もうクラクラしちゃいました。
いやいや、それは無理だろうと。
で、そんな電話を関わった保護者には入れるわけですね。
すると、今度は温度差がすごいの。
「へぇ〜っ、初めて聞きました」
「あぁ…、なんとなく話は聞いてます」
そんな程度で電話してこないでよ、ってノリの人もいます。
まあ、そうでしょうね。
それから、そんな保護者のLINEになんて入ってない人もたくさんいるわけで。
結局数人のグループで盛り上がっていただけのようでして。
しかしまあ、「これは大変な時代になったぞ」と、そのとき強く感じました。
こういうことってますます増えていくんでしょうね。
子育てを難しくしているなぁ。
難しくしているのは、だれですか?
…というお話でした。
子育てに迷ったときに出逢いたい100の言葉
シンプルに考えると、子育てで大切なことって何ですか?