子どもとの接点になる大人こそ輝いてほしいのだ!
僕は「公務員」という安定を手放した。
そのことが他の人には、
かなり突飛な行動に見えるらしい。
でもね、
僕は公教育をあきらめたわけではないんです。
僕には僕にしかできないことがある。
学校現場でがんばってくれている仲間がいる。
ある者は現場で。
ある者は管理職として。
ある者は教育委員会で。
僕には僕にしかできないことがあり、
あなたにはあなたにしかできないことがある。
そういうことだと思うんです。
どちらが偉いとか、
どちらがすごいとか、
そんなことはないのです。
それぞれがやりたいこと、
できることをするだけなんです。
この夏、
一般財団法人しつもん財団主催
『発問力研修』の講師を務めさせていただきました。
あんなにもたくさんの「学校の先生」が、
学びに来てくれた。
それが何よりの喜びでした。
先生方はは、
この「発問力研修」に出たからといって、
出世ができるわけではありません。
何か資格がもらえるわけでもありません。
本当にシンプルな「学びたい」という気持ちです。
その思いに僕は胸がいっぱいになりました。
先生をやっていると、辛いことがいっぱいあります。
僕らには守秘義務がいっぱいあって、言えないことだらけです。
こんなにがんばっているのに。
こんなに心を削っているのに。
理解されないことなんて山ほどあります。
僕にもたくさんの苦しい時間がたくさんありました。
「発問力研修」では、少しだけそんな話をしました。
でも、今振り返れば、
あれがあったから、
今があるのだと思うのです。
僕の教員人生が順風満帆で、
何一つ壁にぶつかることなく、
「今日」という日を迎えたならば、
僕はあのころのままの「教員」です。
僕がちょっとだけ特別なのだとしたら、
それはそんなたくさんの
「かけがえのない経験」をしてきたからなんです。
僕は僕の人生を信じています。
だから、あなたの人生も、
それから子どもたちの人生も、
信じることができるのです。
すべての出来事には意味があって、
すべてはうまくいくようにできていて。
逃げ出してもいい。
投げ出してもいい。
でも、生きることをあきらめないでください。
僕は「学校の先生」を辞めた代わりに、
先生を応援する立場になりました。
「学校の先生」という仕事を16年間やってきた経験を生かして、学校に批判的な立場になる方が仕事は増えそうです(笑)
でもね、学校を批判するのなんて簡単です。
その「在り方」は、普通すぎて「つまんねえ」って思うわけです。
問題点を指摘すれば、いくらでも見つかります。
そういうの、くだらねーなと思うわけです。
やっぱね、その批判に対する対案を示して、アクション起こせなきゃ「つまんねーな」って思うわけです。
学校の仕組み自体は、経年劣化を起こしています。
時代に合わない部分もあります。
そもそも多様性の時代に、すべての子どもたち、そして保護者たちを満たすコンテンツを提供することは不可能に近いことです。
そうであっても先生の役割が終わることはありません。
今よりもっとカウンセラー的な要素が強まるでしょうし、業務内容もさらに授業以外のものが増えていくでしょう。
それでも、子どもたちとの接点となる「先生」という職業はなくならないでしょう。
だから、そんな先生を応援したいと思いました。
仕事を続けていてはできないことがあります。
手かせ足かせが多すぎますし、何より時間が足りません。
だから、僕は「安定」を手放し、「自由」を手に入れました。
そこに「優劣」も「良い悪い」も、「偉い、偉くない」もありません。
それぞれの役割があるのです。
「命を使う」と書いて「使命」です。
僕には僕の。
あなたにはあなたの。
使命があるのですから。