それ、去年と同じ反省じゃない?

先生の仕事 反省点

学校教育を変えたい!

そんな人は多くいる。

そういう投稿をよく見かける。

 

でもね、外からヤンヤヤンヤ言ったって、変わるわけがない。

なにせ、中からヤンヤヤンヤ言ったって変わんないんだから。

 

退屈な反省会

会議が退屈だ。

死にそうに退屈だ。

 

年度末反省というのがある。

たぶん都道府県によって呼び名は違うんだろうけど。

今年度の仕事を振り返り、来年度どう改めるかを考える、そんな会議だ。

 

そもそも年度末に反省しているというやり方が古いよね。

企業の人から見たら、「遅っ!」って思うよね。

でも、学校ってそんなもの。

 

 

んでね、毎年、同じようなことが話題になる。

初任のころから同じようなことが話題になる。

すごいよね。

16年だぜ。

学校、4校目だぜ。

早い話、それって改善されてないってことだ。

 

 

ねえ?同じ反省してない?

学校には校内研修ってのがあって、これも呼び名はそれぞれの都道府県によって違うだろうけど。

それぞれの先生が学習指導案を作り、互いの授業を見せ合って、授業力を磨き合う。

そんな取り組みを、どこの学校でもやっていると思う。

 

出てくる反省に頭痛がする。

 

「指導案は早く出しましょう」

「年度末に偏らないように計画的にやりましょう」

 

おもしろいなぁと思う。

それ、昨年度と同じですからね。

 

 

それでね。

できない理由が「忙しいから」。

いいなあ。

「忙しさ」ってのは、「免罪符」として大変有効である。

 

 

僕は今年度はその係りを担当していた。

そして、年度の初めに改善策を提案した。

 

2学期の何月何日に研究授業をするのか、1学期中に申告してもらうことにした。

結果はどうか。

みんな申告した。

ちゃんと申告した。

 

でも、申告した通りにやらなかった。

それで結局3学期に研究授業が集中した。

 

もう一度書いておこう。

学期の何月何日に授業をやるか申告したけれど、学期に授業が集中したのだ。

 

前の週の金曜日までに指導案を配るというルールにした。

でも、守られなかった。

前日、もしくはその日の朝、指導案が配られた。

 

問題は仕組みじゃない。

意識だ。

 

 

 

そして、そういう大人が子供を叱るのだ。

「期限を守りなさい」

「提出物を出しなさい」

 

説得力ゼロである。

本当は子供たち全員に話してやりたいぐらいだ。

「君を叱ってるその人、提出物出してないですけどね」

 

はっきり言おう。

「そんな大人を信じるか?」って話なわけさ。

 

さっさと終わらせる理由

僕は「いの一番」に研究授業を終える。

毎年、「いの一番」に終わらせている。

 

なぜか。

 

いいかげんだからだ。

僕は非常にだらしがない。

だから、忘れないうちにやっておかないと、確実に忘れる。

 

だれよりも早くやるのは、研究授業が好きだからではない。

別にやらなくていいならやりたくない。

 

でも、これは仕事だ。

プロの仕事だ。

これでお給料をいただいているのだ。

 

だから、やらなきゃいけない。

だから、忘れないうちにやっておく。

それ、普通のことでしょ?って思う。

 

しなやかに変化する。

そうそう。

毎日アホみたいな量の仕事量を全部こなすために付箋紙を活用している。

全部書き出して、順番に終えていく。

仕事を「見える化」しておくのだ。

 

なぜか。

 

僕がいいかげんだからだ。

抜け落ちることが多くある。

僕が何か仕事を忘れれば、子供たちに迷惑がかかる。

保護者に迷惑がかかる。

管理職にも教育委員会にも迷惑がかかる。

 

それはプロとして恥ずかしいことだ。

でも、残念だけど僕は頭がよくない。

 

だから、「見える化」しておく。

 

できない自分を自覚しているから工夫をする。

そうやって自分を進化させてきて今がある。

 

意識の差だ。

 

授業が下手だった。

だから学んだ。

だから変わった。

 

生徒指導が下手だった。

だから学んだ。

だから変わった。

 

今、世の中の変化するスピードが、どんどん加速している。

1年前と今とでは、異なる世界になっている。

これほど変化の激しい世の中で、僕らは「未来」である子供たちと共に過ごしている。

 

去年と同じ反省をしているから、学校現場は変わらないんだ。

 

手元にある年度末反省をまとめた資料を読み返してほしい。

昨年度のもの、その前のもの、以前の学校のもの。

全部読み返してほしい。

 

そこに進化の歴史があるだろうか。

それとも、同じ過ちを繰り返しているのだろうか。

 

意識の差が仕事の差だ。

 

 

ハッピーな先生になるためのステップ

同じ反省をしているのは、反省していない証拠。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。