自尊心とか自己肯定感って、なんだろうね?って話


自尊心とか、自己肯定感とか、よく話題になるんだけど、あれって結局なんだろね?って話をしたい。

 

 

先日、ある先生とお話していていたとき、そんな話題になった。

「ウチのクラスの児童に自己肯定感の低い子がいまして…」と言う。

 

 

それで詳しく話を聞いてみた。

だが、話を伺ってるうち、「それって自己肯定感が低いのかな?」と思ったのだ。

 

 

で、「自己肯定感が低い」ということについて考えてみたいんだけど、これって案外「大人の主観」でジャッジされているような気がしてならないのだ。

 

 

「自己肯定感が低い子」は暴力的なのだそうだ。

だが、「暴力的な子」が果たして「自己肯定感が低い子」なのか。

必ずしもそうではない気もする。

 

 

「気もする」と書いたのは、なんとも言えないからである。

いや、そもそも「自己肯定感が低い」ってのは、どんな状態なんだ?

 

 

明確な指標があるのだろうか。

なんとなく、雰囲気で、「あの子、自己肯定感、低くね?」って話をしていないだろうか。

 

 

質問紙検査やアンケートで、自己肯定感を問うような設問を見かける。

で、自己肯定感が高い人間になるか、低い人間になるかは、その人がどちらに寄せに行くか、によると思うんだよね。

 

 

昔、いつも学級委員やってて、クラスでも人気者で頼られるタイプのクセに、「先生、俺、ダメ人間っす」って言ってくる奴がいた。

その手の検査をすると、「不登校傾向」とか「いじめられやすいタイプ」とか出る。

 

 

ウソやん!

じゃあ、なんで学級委員に立候補してんの?

なんで、クラスのリーダーやってんの?

いや、なんでリーダー会のリーダーとかに選ばれてんの?

 

 

おかしいやん!

 

 

って感じで、「お前さー、本当はどう思ってんのよ?」って尋ねたら、「先生、俺、ダメ人間っす」って、やっぱり言ってくる。

なんか面倒くせーな、と思った、正直ね。

 

 

一方で、むちゃくちゃ浮いてる子がいてね。

「私は人気者なんです」って言っちゃうのね。

 

 

いやいや、みんな、ニヤニヤしてて、からかってて。

でも、本人気づいてなくて、人気者だと思ってて。

 

 

で、僕がその周りでからかってる奴らに、「お前らの今の気持ちは、俺は好きじゃないね」なんて話したら黙っちゃってさ。

みんな、からかってんの、わかってんのね。

でも、本人は気づいてない。

 

 

そんなパターンもあってさ。

それはやっぱ自己肯定感が高いってことになるのかね?とか。

 

 

この自尊心とか、自己肯定感とかって言葉。

なんとなく…で使ってないかな、とか思うわけです。

 

 

指標もなく、基準もなく、なんとなくジャッジするための言葉になっているとしたら、ちょっとそれはどうなのかな、と。

 

 

…というわけで、この言葉の指標について考えてみたいんだよね。

ところで、自尊心と自己肯定感ってどう違うの?

何気なく使ってるけど、明確に使い分けてる人ってどのくらいいるんだろうね?

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。