少年時代の思い出に母親の姿はありませんでした。なぜだか思い出せることと言えば、お父さんと二人きり。遊園地の思い出も、海水浴の思い出も。お酒を飲まないときは、無口で物静かなお父さん。お酒を飲むと、理屈っぽくて、時には手も飛...
ご両親は、彼を特別支援学校に入学させることに戸惑いを感じていました。障害の中で最も重いと言われる「1種1級認定」。とは言え、知的な部分には何の問題もありません。コミュニケーションも図ることができます。(なんとか普通教育を...
「お前は働くことよりも、本を読むことが好きなのか?」そう言ってお父さんは叱りました。お父さんは、森を切り拓き、土を耕し畑をこしらえる貧しい開拓民でした。ですから、文字を読むことも書くこともできません。契約書を読むことすら...
「子どもの奴隷労働問題を解決したい!」想像してみてください。あなたの子どもたちが、そんな言葉を口にしたら。あなたはきっと微笑むでしょう。(まあ、なんて素敵なこと♡)子どもの発想をあなたは受け止めるでしょう。そして、こう伝...
行動を起こすとき、僕らは「2つの選択肢」の中から行動を選びます。1つは「こうしたい!」という希望からスタートする「愛の選択」。いま一つは「こうあるべき」にしたがって選択する「恐れの選択」です。男の子が生まれたら祝砲を上げ...
小学生時代、少年は朝早くから登校ギリギリからお父さんの農作業を手伝うのが常でした。無口なお父さんでしたが、農業に必要な技術や知識は、こと細かに教えてくれました。夕飯をすませると、カンテラとモリを持って一緒にウナギを捕まえ...
兄が1人、妹が3人、弟が2人の7人兄弟。家族9人と同居していた祖父といとこ。合わせて11人もの食事の支度を毎日していたお母さん。お父さんは印刷業を営んでおり、いつも10人ほどの工員さんが手伝いに来ていました。お母さんは家...
彼女は、今で言うところの特別支援学級に籍を置いていました。とはいえそこは、数十年も昔の英国。専門的な教育とはほど遠いものだったそうです。4人の兄と5人の姉に続く末っ子の彼女。母親は47歳と高齢だったため、大変な難産となり...