「あなたならできる」と言ってみる。


「子どもの奴隷労働問題を解決したい!」

 

想像してみてください。

あなたの子どもたちが、そんな言葉を口にしたら。

あなたはきっと微笑むでしょう。

 

(まあ、なんて素敵なこと♡)

 

子どもの発想をあなたは受け止めるでしょう。

そして、こう伝えます。

 

「大人になったらね。

 そのためには、まずしっかりお勉強してね」

と。

 

 

ところが、この子のお父さんとお母さんは違いました。

 

「あなたなら、できる!」

 

そう言ったのです。

彼女の名はビビアン・ハー。

自作のレモネードスタンドでレモネードの販売を始めた彼女。

株式上場を果たし、セレモニーの鐘を鳴らしたのは9歳のときでした。

 

 

「子どもの奴隷労働問題」を解決するために設定した目標金額は10万ドル。

レモネードスタンドに立ち続けること173日。

彼女は見事に目標を達成します。

 

 

「これで子どもの奴隷も終わるの?」 

彼女はお父さんとお母さんに尋ねます。

 

 

あなたなら、9歳の女の子に何と伝えるでしょうか。

「きっと終わるわよ」

そう伝えるでしょうか。

 

 

でも、お父さんとお母さんは違いました。

目標を達成したばかりの9歳の女の子にも真実を伝えます。

両親は首を横に振りました。

 

「子どもの奴隷を終わらせるのは無理かもしれないよ」

 

その言葉を聞いた彼女は、こう答えます。

「いいえ、できるわ!」と。

 

 

今度は、レモネードスタンドではなく、レモネードを瓶詰めにして販売することを思いつきます。

お父さんと一緒にフェアトレードオーガニックレモネードを販売する会社「Make a Stand」を設立します。

 

 

しかし、レモネードの販売は簡単ではありません。

 

 

そこで、今度はチャリティのために募金を集めるクラウドファンディングを、数分で準備できる専用アプリを開発します。

手数料をいただくことで、Make a Standは数千万ドルの売上を達成することができました。

 

 

子どもたちの発想は無限大です。

そこには、才能の種が隠されています。

 

 

しかし、大人はそのことに気がつきません。

「そんなの無理!」と言って、子どもたちの才能の種を枯れさせてしまいます。

 

 

ビビアン・ハーさんが

「子どもの奴隷を終わらせたい」

と口にしたとき。

9歳の女の子が、そんな途方もない話をしたとき。

 

 

ご両親は彼女にこう言いました。

「あなたなら、できる!」

 

 

そして、彼女の活動を精一杯応援したのでした。

 

 

子どもの才能が花開く問いかけの魔法

子どものころ、どんな夢がありましたか?

 


【参考文献】

ビビアン・ハー 著

『メイク・ア・スタンド』

(ワンネス出版)

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」として人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・2018年~2019年 100人のボランティアスタッフをマネジメントして『子育て万博』を主催。

・2021年~2024年 パリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフのマネジメントを担当。

・経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムCrewDocks®︎を開発。企業研修など精力的に活動中。