「任せる」は最悪のマネジメント
『自走する組織の作り方 統率力不要のリーダー論』の著者のくればやしひろあきです。
リーダーたちの嘆き節の中でよく耳にするのが「任せておいたのに、できていない」です。
自走する組織?
いやいや、あいつらには無理だよ。
だって、任せておいたのにできないんだもん。
…なんて言葉を聞くわけです。
どうも人間という生き物を、「任せたら動くもの」だと勘違いしている方がいます。
『自走する組織の作り方 統率力不要のリーダー論』は約12万字の書籍です。
「任せたら自走する」なら、8文字で終わります。
そんなわけないやん?
任せたら、自走する?
そんなに簡単なら、誰もマネジメントで悩まんやん?
人に何かを任せるとき、「任せる相手のことをちゃんと理解しているか」がポイントです。
「この程度の仕事なら誰でもできるだろう?」と考えてはいけません。
仕事の中身ありき、ではなく、人間をベースに考えるんです。
それが適材適所ってやつでしょ?
「この仕事はこの人にできるか?」をまず問うことが大事なんです。
仕事ができていないなら、できていないその人が悪いのではなく、そもそもその人に仕事を任せたリーダーの判断が悪かったわけですね。
「任せる」ってのは、やりたくない仕事を押し付けることではありません。
「この仕事、この人ならできるだろう」と思って任せるわけです。
できなかったら、その見立てが悪かったということです。
で、だから、その人が悪いとか、あなたが悪いとか、そういうことでもないんです。
じゃあ、「どうしたらできるだろう?」が大事です。
やり方がわからなくてできないなら、やり方を教えてあげなくちゃいけない。
別にリーダーが教えなくてもいい。
教えることができる人をつけてあげればいい。
仕事が忙しくてできないなら、その「忙しい」を解消してあげる必要がある。
1人でできないなら2人でやればいい。
「任せる」ってのは、ほったらかしにすることではなく、任された人が業務を完遂できる形を整えてあげて初めて「任せる」が成立するわけです。
それがマネジメントじゃん?
任せたら自走する?
だったら12万字も書けるかい!!!
マネジメントに統率力は不要です。
でも、何もしないわけじゃありません。
リーダーはそうやって組織を整え、やがて自分が何もしなくても自走していく組織に育てていく必要があります。
ちなみに、タイトルは『自走する組織の作り方』ですが、第1章は『自走する組織の育て方』です。
実は組織って育てるものなのです。
学校の先生は、毎年4月に学級が新しくなります。
そこから、学級組織を育てていきます。
1学期に自走する組織にしておくと、あとは2学期、3学期とスイスイ行きます。
ここでつまづくと、1年間つまづきます。
いや、ほんと、最初の1ヶ月で基礎をつくって、3ヶ月で文化を作って、はい、夏休み。
長期休業で少しリセットされて、1ヶ月で取り戻す。
そんな感じでしたね、毎年。
会社組織やチームも同じです。
組織は育てないと自走しません。
そして、育てたら初めて「任せる」ができるようになります。
育ってない組織に「任せる」をすると、「やれませんでした」になります。
それ、部下が悪いの?
違いますね。
組織を育てていないだけです。
育ててもいないのに任せちゃうのは最悪のマネジメントです。
一言で言うと、放任ってやつですね。
教育者が書いたリーダーシップ&マネジメントの本。
人を育て、組織を育てるノウハウが書いてあります。
https://minacrew.co.jp/book-present/