信頼されるリーダーになる 〜器の大きな人、器の小さな人〜 


リーダーに求められるのは器の大きさだ!という話をしたいと思います。

いやはや、耳の痛い話かもしれませんが、どうぞ最後までお付き合いください。

 

 

リーダーの器が大きければ、人は集まってくる。

リーダーの器が小さければ、人は徐々に離れていく。

 

 

 

器、大事!

 

 

これまでいろんな人に仕えてきましたが、器の大きなリーダーの下では仕事がしやすかったですし、そうではないリーダーの下では窮屈に感じていました。

 

多少イライラしても、「なんか違うなぁ」って思っても、ギューーっとその思いを飲み込んで、そこにいるみんなが力を発揮できるように振る舞えるのがリーダーだと思います。

 

 

 

 

 

 

若いころは、器の大きなリーダーにずいぶん育てていただいたなと思っております。

先生なんてのは、まさに1つの組織のマネジメントを任されたリーダーなわけですがね。

生徒が自分の意に反することをしたとして、それでカッとなって怒っちゃう先生は、やっぱリーダーとしては下(げ)の下(げ)なわけです。

 

 

「どうしてそんなことをしたのかな?」と思いを馳せ、それをそっと受け止める度量の大きさがないと、やっぱ生徒はついてこないのであります。

僕も最初はね、小っちゃい小っちゃい先生でしたよ、ほんと。

若いころはホント怒ってばかり。

 

 

年を重ねるにつれ、少しずつ成長してきました。

経験を通して人は成長しますからね。

これを読んでくれているあなたも、一緒に成長していけたら嬉しいな、って思います。

 

 

先生に限らずね、同じ。

リーダーって大変よ、ほんと。

 

 

自分を優先にしちゃうんじゃなくて、あくまでも組織の成果を最大にすることが大切なわけで。

どうしたら関わる人が、自分の力を最大限発揮できるかな、を精一杯考えて振る舞えるか、なんですね。

 

 

僕だってね、イラッとすること、ありますよ。

でも、それをグッと飲み込んで、「さあ、どう伝えたらうまくいくかな?」を考えるんです。

自分のことよりも全体なんです。

 

 

全体最適解を求める

 

 

自分さえ良ければいい、ではなく、みんなにとって何が最高の答えか、を考えるのであります。

 

 

いちいち瑣末なことで怒ってる人間は、「器の小さい人だねぇ」と見えます。

いや、人間だからね、そんなこともあると思うよ。

でもでも、リーダーとしては「なんとも小っちゃい人だな」となっちゃうのよね。

 

 

リーダーがね、自分の気分さえ良ければそれでいいんだ!って、暴虐無人な振る舞いをしたら最悪です。

誰もついてきやしませんよ。

 

 

多少自分の気分を害したって、それをギュッと飲み込んで、組織としての最適解を出せるからこそ、「ああ、あの人は立派な人だ」ってなるわけです。

 

 

こうやっていろんな人と仕事をしてみるとね、「この人は器の大きな人だねぇ」って人と、「この人は器の小さな人だねぇ」って人に出会います。

 

 

まずね、発する言葉ですね、言葉。

器の小さな人物はね、言葉が汚いです。

言葉のチョイスが汚いです。

 

 

自分に自信のない者は、自分を大きく見せたいですから。

それがちょっと間違った方向に行っちゃうんですね。

汚い言葉を使って、ちょっと怖そうに見せようとしたりします。

 

 

そういう言葉を見たり聞いたりするたび、「あなた、およしなさいよ」なんて思ってしまう。

だって、それ、言葉の汚さは、自信のなさの表れなんだもん。

 

 

言葉だけでなく、話題もそうかな。

場にふさわしい話題ってものがあります。

話題の選び方ひとつを取っても、その人の「自信のなさ」みたいなものが透けて見えるんですね。

 

 

 

自信のない人はどうしたって、自分を大きく見せようとします。

たとえば、自分のことを殊更「素晴らしい人物だ」と表現するなんてことがあって。

そういうことは、他人が言うから「映える」のであって、自分で言ってしまうと滑稽です。

 

 

例えば、ですよ、、、

 

「俺、出版したんですよ。

 俺ってすごいんですよ」

 

 

ほら、僕がこんなこと言ってたら、滑稽じゃない?

他人が「この人、出版したんですよ。すごくないですか?」みたいな話をしている分には「ああ、すごいね」なんですが、自分で言っちゃうとバカっぽいですよね。

 

 

「僕ね、全国で

出版講演会したんですよ。

 すごくないですか?」

 

 

ほら、それがたとえ事実だとしてもですよ、やっぱ自分で自分を「すごい」とか言っちゃうと、一気に萎えるでしょ?

人から「あの人はすごい!」と言われるのは良いのに、それを自分で言っちゃうと、ちょっと「ん?」って思っちゃいますよね。

 

 

 

 

 

それから、「誰々と仲がいい」みたいな話も、自信がない人に見えます。

その人と「誰々」が釣り合っていれば良いんですが、そこに差があると「虎の威を借る狐」に見えます。

 

著者仲間です

友達なんです

俺、すごいでしょ?

 

 

うん、やっぱ、ダサいよね。

 

「友達がすごい」=「だから俺もすごい」

みたいな話は、やっぱ根っこでは自信がないんだろうな、って見えちゃうんですね。

 

 

 

自分に自信がないときは、外側の何かで自分を大きく見せようとしがちなんですね。

 

 

んで、大きく見せようとすればするほど、器が小さく見えるんです。

オンライン上では大きく表現することはセルフブランディングという点で意味があることなのかもしれませんが、リアルな場では謙虚な人の方が大きく見えるから不思議です。

 

 

 

「器」と「自尊感情」とのつながりは見逃せないポイントなんですね。

心の奥の奥で、ちゃんと自尊感情を育んできたか、ってことが「器」に大きな影響を与えています。

 

 

 

器の大きな人はね、言葉を選びます。

言葉に品格があります。

 

 

話題にも品があります。

決して、自分を大きく見せようとはしません。

 

 

誰々と仲が良いとか、いくらいくら稼いだとか。

そうやって大きく見せる必要はないんです、器の大きな人は。

だって、根っこに自信があるんだもん。

 

 

分をじる

 

…と書いて、自信です。

 

 

自分を信じている人は控えめですよ。

自慢げになりません。

 

 

そんな姿を見て、「あの人は大きな人だねぇ」となるわけです。

 

 

 

また、器の小さな人はね、平気で悪口を言います。

人を揶揄するのが好きですね。

影で「あいつはこんな奴だ」「こいつはこんな奴だ」という話をします。

 

 

人を下げることで自分を上げる

 

 

いや、ほんと、悪口はね、口にすればするほど、自分の価値を下げる言葉です。

当然ですが、そういう言葉は漏れ聞こえてきます。

そりゃ信頼されませんよね。

 

 

いや、ほんと、悪口はやめた方がいいです。

それを聞かされた人間はこう思うんです。

 

 

「この人、他の場所では、自分の悪口も言うんだろうな」って。

 

 

一方、器の大きな人は、悪口は言いませんね。

その代わり、影で褒めるんですよ。

その人の知らないところで、その人を褒めて周ってるんです。

 

 

人を上げるのが上手

 

 

当然ですが、そういう言葉は漏れ聞こえてきます。

そりゃ、信頼されますよね。

 

 

で、面白いもので、器が大きくて信頼されてるリーダーって、そこに属する人のことを信頼してるんですよ。

だから、「任せたよ」って平気で言える。

そして、任せた以上は責任を取る。

 

 

「任せたんだから、ミスしたら君の責任ね」みたいな態度では、器が小さく見えます。

「任せた以上は、任せた僕に責任がある」みたいな態度の人は、器が大きく見えます。

 

 

大事なことなので何度も書きます。

 

 

分をじる

と書いて自信です

 

 

自分に自信がないと、人を信頼できないんですよね。

 

 

器が小さいリーダーって信頼されてないでしょ?

それ、なんでかって言うと、そこに属する人のことも信頼してないからなんです。

 

 

だって、人間関係だもん。

 

 

信頼できないからこそ、制約を作ったり、ルールを細かく設定したりして、管理しようとするんですね。

で、反対にそこに属する人は「あー、信頼されてないなー」って思うわけです。

 

 

あれはしていい、これはするな。

そうやって管理するほど、人は信頼しなくなります。

信頼されてないから、信頼されなくなります。

 

 

人間関係

 

はい、忘れないでください。

言い換えると、自分で蒔いた種、ですな。

 

 

 

器の大きなリーダーはですね、みんなのことを信頼してます。

だから、制約みたいなものは極力減らそうとしますね。

信頼しているから、そういうのいらないんです。

 

 

そうそう、この前、Japan Kids Fashion Week2022というファッションショーでスタッフチームを動かしました。

役割分担もルールも決めずww

でも、完璧に仕事をこなしました。

 

 

大切なのは信頼です。

信頼しているから、そういうの、必要ありません。

 

 

役割分担やルールがないのはいいかげんな仕事と思われがちですが、反対ですよ。

信頼関係を作らずに、やたら管理しようとする方が、僕から見るとリーダーとしていいかげんな仕事だと思っています。

 

 

 

 

んで、これも重要なんだけどね、能力が高いとか、物事をよく知っているとか、そういうことってプレーヤーのときは評価されるけど、リーダーとしてはあまり評価されません。

 

 

「自分は優れている」みたいなことは、そもそもいらないんです。

能力として優れてなくていいんです。

それよりも信頼関係を作る能力が求められています。

 

 

そうそう。

このJapan Kids Fashion Week2022のリーダーである運営委員長の田中さんは「くれちゃん、任せた!」と言って丸投げです。

 

これは「いいかげんな仕事」でしょうか?

違いますよね。

僕のことを信頼したから丸投げなんです。

そして、僕も信頼されているからこそ、その信に応えたいと思うわけです。

 

 

信頼関係を作るって、すごいことです。

んで、器が大きいほど、信頼関係を作るのに時間がかからない。

そういうものだと思っておりましてね。

 

 

だから、リーダーの器って大事です。

 

 

 

 

で、部下も部下で「器が小さいよね」とは決して口にできないじゃないですか?

 

 

あなたの器

小っちゃいっすね

 

 

…なんて絶対言えません。

 

 

 

誰も指摘してくれない。

だから、自分で気づくしかないんです。

 

 

 

 

ただですね、器の小さい人は、自分の考えに異論を唱える人を遠ざけがちです。

異論を受け止めるのって、かなり器が大きくないとできませんから。

自信がないと、どうしたって戦っちゃう。

 

 

自分を信じられているからこそ、自分と異なる意見にも寛大でいられるんです。

異を唱える人が現れたとき、その人の言葉にジッと耳を傾けてください。

それだけで人の器を何倍も大きくしますよ。

 

 

僕のメンターであるマツダミヒロさんのヴィジョンは、「その人がその人らしく生きられる世界を創る」なんですね。

で、それを聞いたとき、僕は尋ねたんです。

 

 

 

 

「でも、ミヒロさん!そんな世界

絶対実現しなくないですか?」

 

 

やばいでしょ?

 

 

 

メンターのヴィジョン

全否定!

 

 

 

器の小さな人間だったら、ブチギレますよね。

でも、僕が師と仰ぐ人は違いました。

 

 

 

「うん、そうだね」ってまず受け止める。

で、こんな話をしてくれました。

 

 

「ヴィジョンはね、

 できるか、できないか、ではないんだよ。

 それを目指して自分にできることをする。

 それでいいんだよ」って。

 

 

 

器がデカい!

 

 

自分に異を唱える人間に、これができたら、そりゃもうね、感服しますよ。

尊敬しますよ。

 

 

自分と異なる意見に出会ったときこそ、試されてるんです。

あなたの器のサイズを試されているわけです。

排除しちゃダメよ。

チャンスなんだからさ。

 

 

でもね、排除したくなる気持ちもわかるんだ。

自分を信じきれていないと排除したくなる。

自分と異なる意見を排除したくなるのは、自信がないからなんだよね。

 

 

だから、耳の痛いことを言う人を遠ざけ、イエスマンを集めていきます。

裸の王様になっていくんです。

 

「王様は裸だ!」

 

…って誰も言ってくれません。

これでは改善のしようがありません。

 

 

 

 

 

 

エブリデイ全裸

 

 

 

 

 

これは結構致命的だったりします。

 

 

 

なので、チェックポイントをまとめてみました。

参考にしてみてください。

 

 

❶ 感情のコントロールができてますか?

❷ 品のある言葉が使えてますか?

❸ 悪口を言ってませんか?

❹ 制約を設けて管理を強めてませんか?

❺ 自分に異論を唱える人を遠ざけていませんか?

❻ みんなを心から信頼していますか?

❼ そもそも自分自身を信頼していますか?

 

 

いかがでしょうか?

変えられるのは自分だけ。

まずは自らを省みることから始めたいですね。

 

 

Amazonリンクはこちら

楽天ブックスはこちら

本屋さんでの購入はこちら

 

 

理想の組織づくりや新しいリーダー像を描いた拙著『自走する組織の作り方 統率力不要のリーダー論』(青山ライフ出版)も、ぜひお読みいただけたら幸いです。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」として人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・2018年~2019年 100人のボランティアスタッフをマネジメントして『子育て万博』を主催。

・2021年~2024年 パリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフのマネジメントを担当。

・経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムCrewDocks®︎を開発。企業研修など精力的に活動中。