リーダーは密告や告げ口にどう対応したら良いですか?

密告や告げ口

学級経営、企業経営、組織運営。

人をまとめるお仕事をされている経営者やスポーツチームの指導者、学校の先生という仕事をしていると、

「あの人はあーだ」

「この人はこーだ」

といろんな告げ口がやってきます。

 

 

密告です。

 

 

「先生、聞いてよ。あの子さ…」

「くれちゃん、ちょっといい。実は○○さんがね…」

なんて言われて、対応に追われるなんてことがよくありました。

 

 

はい、この告げ口にどう対応したら良いでしょうか、というのが今日のお話。

 

 

これね、リーダーにとっては、ちょっとダメージを受けやすいんですよ。

人間関係のトラブルって、さっさと処理したい。

 

 

トラブルが大きくなると厄介だから、迅速に動きたい。

だから、すぐに動いちゃうリーダーがいます。

 

 

あ、ちょっと待って。

深呼吸しましょ。

焦ってはいけません。

 

 

告げ口を聞いて、「あの子」や「○○さん」に、速攻で話に行っちゃうパターン、失敗することが多いんです。

人からの情報を鵜呑みにして動くと失敗するから気をつけて。

 

 

 

「○○くんから聞いたんだけど」

「○○さんが教えてくれてね」

なんて言葉を枕詞にリーダーが介入していくんですが、これ、地雷を踏みやすいです。

 

 

例えば、Aさんがリーダーであるあなたに「告げ口」をしてきます。

Bさんに問題があることを指摘してきます。

あなたはすぐに行動に移しBさんに話をしようとする。

はい、これが失敗パターンです。

 

 

こういうときって、多くの場合、AさんはBさんに不信感を抱いています。

そして、AさんとBさんは直接話ができない関係です。

だから、Aさんはリーダーであるあなたに「告げ口」をするわけです。

 

 

AさんとBさんが話のできる関係だったら、わざわざリーダーであるあなたに「告げ口」や「密告」をしないのです。

 

 

そして、どうでも良い関係でも「告げ口」や「密告」をしないのです。

 

 

心のどこかに「一言物申したい」という気持ちがないと、わざわざ「告げ口」や「密告」をしに来ません。

 

 

さあ、この状態でAさんの話を間に受けてBさんに話をしたとしましょう。

Bさんからすると、リーダーであるあなたはAさんの味方をしているように映ってしまいます。

 

 

ポイントとなるのは、Bさんの行動を改善することではありません。

Aさんの気持ちを鎮めることです。

 

 

「怒り」は二次感情と言われます。

「怒り」の奥には「悲しみ」や「不安」「寂しさ」があります。

 

 

「怒り」を鎮めるのではなく、「悲しみ」や「不安」「寂しさ」を癒さないと、「怒り」は静まりません。

 

 

ですから、「告げ口」の内容が「文句」のような類いだった場合は特にですが、まずは話を聞いてやり、理解してあげることが大切です。

 

 

「先生、あの子がこんなことしてたよ」

「そっかー。それは悲しかったね」

 

 

最初のステップは気持ちを理解することです。

でも、同調はしない。

これも重要ですね。

 

 

一歩間違えると、「リーダーも怒っている」みたいな話になっちゃうのでww

 

 

あくまでも、Aさんの気持ちを理解してあげるだけです。

一緒になって「Bさん、悪いよね」なんてジャッジをしないことです。

「じゃあ、一度確認してみるね」で良いと思います。

 

 

この「告げ口」というのは、ほぼAさんの主観で語られた言葉です。

事実ではありません。(嘘をついている訳でもありません)

 

 

だから、まずは事実確認が先ですね。

Bさんに、「こんな話を小耳に挟んだんだけど本当?」と尋ねてみる。

すると、Aさんの見解とは異なるBさんの主観で語られた「もう一つの事実」を知ることができます。

 

 

「事実」なんてものは、人間の数だけあって、名探偵コナンくんは「真実はいつもひとつ」と言いますが、なかなか真実に辿りつかないわけです。

 

 

ちなみに、「みんなもそう言っています」「みんなもそう思ってます」みたいな「みんな」をつけられると、リーダーは弱いです。

でも、大抵は「みんな」ではなかったりしますww

 

 

 

 

 

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くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。