叱咤激励では人は育たない。スタッフのやる気を引き出すリーダーの声掛けとは?
僕の趣味はスタジアムまでJリーグの応援に行くことです。
最初はメインスタンドで静かに観戦していましたが、今ではサポーターとしてゴール裏でチャント(応援歌のようなもの)を歌って飛び跳ねています。
さて、勝つこともあれば負けることもあるのがスポーツです。
勝った日は機嫌よく1日を終えられますし、負ければ悔しく肩を落として帰宅することになります。
サッカーでは試合後、選手たちがゴール裏へ「応援ありがとう」という気持ちを込めて、挨拶に来ます。
通常は拍手で出迎えるのですが、負けが続くと罵声を浴びせるような人が出てきます。
「チームが勝ってほしい」という気持ちはわかります。
でも、罵声を浴びせても、チームが強くなることはありません。
負けが多いチームに対して、試合前のウオーミングアップの時間にブーイングを浴びせようと呼びかけるX(旧ツイッター)の投稿を見かけました。
真っ当なサポーターたちが、一斉に反対を表明。
素晴らしいことだな、と思いました。
たとえば、受験の日の朝、両親にこんなことを言われたら、どんな気持ちになるでしょうか。
「どうせお前は受からない」
「ダメだったら叱るからな」
こう言われて、いつもの力を出せる人はいないでしょう。
まして、通常の2倍も3倍もエネルギーが欲しいという場面であれば、これは最悪のメッセージです。
「叱咤激励」という言葉あります。
でも、「叱咤激励」でモチベーションが上がるのは、かなり狭い範囲の限られた人が伝えた場合のみです。
人材分析アプリCrewDocks®︎の分析でβタイプの方は、比較的「叱咤激励」が有効なタイプと言えます。
ただし、「叱咤激励」をしてもいいのは、その人が実力を認めている相手だけです。
実績がちゃんとある人が伝える「叱咤激励」は、期待の裏返しと捉えてモチベーションアップに繋がります。
大切なのは誰が言うか、です。
実力を伴わない人が伝える「叱咤激励」は、「お前に言われたくない」「どの口が言ってるの?」となるのです。
Ωタイプも、この人が「すごい人だな!」と感じている人から、期待を込めて「激励」多めの「叱咤」少なめでしたら、効果がありそうです。
リスペクトしている人の激励ですね。
「君ならできる!!」がエネルギーになります。
αタイプに「叱咤激励」はマイナスです。
行動するエネルギーそのものを削っていくことになります。
このように考えると、人のやる気を引き出すときは、まず相手の脳の傾向を知っておくことが大切だということがわかります。
さて、冒頭の話題に話を戻しましょう。
試合前にブーイングを浴びせる。
それでやる気がアップする選手は一人もいないのです。
一人もです。
人ががんばれるのは、信頼されているときです。
この場合の信頼は、応援と同義です。
負けが続いている。
それでも俺たちは信じている。
どれだけ負けても応援を続ける。
そんな気持ちが選手の背中を押すのです。
厳しさは人を伸ばすうえでは、あまり役に立たない。
「厳しさ」も時には必要だと人は言いますが、人材を上手に育てるリーダーの持つ「厳しさ」と、この手の人たちが言う「厳しさ」は別種のものだと感じています。
シンプルに言えば「愛」があるか、ですね。
試合前からブーイングを浴びせる「厳しさ」には愛がありません。
負けた後で、「それでも信じてるぞ!」と言われる方が選手にとっては重いです。
それこそが愛ある厳しさだと思います。
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