性格を決めつけることはできないが、個性は滲み出るものさ
僕らはよく「性格」という言葉を使います。
「あの人は性格がいい」とか「あの子は性格が悪い」とか言ったりします。
ところで、「性格」って何でしょうか?
本当に「性格がいい」のであれば、誰からも好かれなければならないですし、本当に「性格が悪い」のであれば、誰からも嫌われねばなりません。
でも、実際には誰からも好かれる人もいませんし、誰からも嫌われる人もいません。
つまり、「この人の性格はこうだ!」と決めつけることはできないのです。
状況や場面、相手によって態度を変えるのが僕ら人間です。
気心の知れた人の前ではリラックスした姿を見せますし、フォーマルな場ではフォーマルな姿を見せるのが普通です。
そういういろんな場面で、僕らはいろんな姿を人に見せます。
その中で繰り返し表現されるその人ならではの行動、これを「性格」と読んでいます。
たとえば、職場で誰とでも仲良くなり、営業先の人とも打ち解けて話すことができる人がいます。
そんな人を見ると、「この人は社交的な性格だなぁ」と判断します。
ただし、ではこの社交的な人がいつでも社交的かというと、そうではありません。
機嫌が悪いとき、体調の悪いとき、仕事でミスをしたとき。
そんなときは、いつもの調子で社交的に振る舞えるかというと、そうではありませんね。
「この人の性格はこうだ!」と決めつけることができないのは、僕らが「感情」に動かされるからです。
気分よくいるときには、持ち前の社交力を発揮して、どんどん新しい人脈を発掘していくことでしょう。
でも、気分が乗っていなければ、「今日は一人で飲みたい気分」という夜もあるでしょう。
人間というのはそういうものです。
ですから、「性格」を一口に「こうだ!」と決めるのは、やはり難しいように思います。
一方で、「個性」というのは、もう少し言語化しやすいようです。
僕らは時と場合に応じて、いろんな顔を着け替えて生きています。
それをペルソナと呼んでいます。
ペルソナとはラテン語で「仮面」の意味をもつ言葉で、パーソナリティーの語源になっています。
職場では上司として威厳のある仮面を着けている人が、家に帰ると「お父さん」という仮面に着け替えて、すっかり奥さんの尻に敷かれている、なんてことがあります。
職場で威厳のある人が家でも威厳があるわけではありません。
人は時と場合に応じて、いろんな顔を着け替えて生きている。
それが普通です。
部下には強気なのに、上司には諂っている人がいます。
それがその人なのです。
そういういろんな役割の中に、その人らしさが滲み出てしまう。
それを個性と呼んでいます。
俳優でタレントの木村拓哉さんは、いろんな映画やドラマに出演されています。
いっとき、どんな役柄をやってもキムタクはキムタクになる、なんて揶揄されたことがありました。
でも、これこそが俳優さんの個性だと思います。
竹中直人さんも僕は好きなのですが、やはりどんな役をやっても「竹中直人」っぽさが顔を出します。
日本の名優の中には、そういう俳優さんが多いと思います。
それが個性であり、「その人らしさ」です。
社会の中でいろんな仮面を着けて生きている。
でも、ついつい滲み出てしまうその人らしさ。
これを僕らは「個性」と呼んでいるわけです。
ですから、自分では自分の「個性」に気づくことはなかなかできません。
「個性」は滲み出るものですから、他人のフィルターを通して気付かされることがほとんどです。
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