「どうしてあの人は私を非難するのだろう」と思ったら

保護者 クレーム

転出する生徒に向けて書いた学級通信

学校で起こる事件の中に教室から私物が無くなるということがあります。悪意あるだれかが隠したのか、それ とも間違えて誰かの荷物に紛れてしまったのか。「いじめられているのではないか」と疑心暗鬼になってしまうこともあるでしょう。

 

あるクラスで、そんな事件が起こりました。けれど、そのお母さんは「先生、犯人捜しはしなくてもいいです よ。家族で十分に話をしていますから」とのことでした。

 

お母さんは、息子に次のように問いかけたそうです。

 

「これからあなたはたくさんの人に出会う。その中には、あなたのことを大好きになって応援してくれる人が いるよ。けれど、どれだけがんばってもあなたのことを嫌いになる人、足を引っ張る人もいるのね。あなたは、 どんな人と暮らしていきたい?」

 

すると、彼は「僕は、僕のことを応援してくれる、僕のことを大好きでいてくれる人と生きていきたい」と答 えました。お母さんは「我が子が大事なことを学ぶチャンスをもらった」と感じたそうです。お母さんが伝えた かったのは「犯人を捜すこと」よりも大事な「幸せな生き方」だったのです。

 

◯◯さん。

あなたは、本当に心の清らかな人です。そんなあなたでも、取り巻く人が10人いれば2人はあなたのことを好きになり応援してくれるけれど、2人はあなたの幸せを妬み、文句や不満を漏らします。残りの6人は好きにも嫌いにも流れる人たちです。

 

あなたを取り巻く人が100人になれば、その数は10倍になるわけです。これが「2:6:2の法則」です。

 

あなたが幸せであること。これが一番大切なことです。

そんなあなたに2割の人が絶対的な応援者として、そばにいてくれるはずです。ご家族は一番の理解者であり応援者です。

 

その2割の人を大切にすることが残りの6 割をあなたの味方にする秘訣です。幸せであるあなたが幸せをお裾分けしてあげるイメージで人と接するとよいでしょう。

 

そして、残りの2割の人はどれだけがんばっても理解をしてくれない人たちです。そんな人に出会ったら「あ~そういう人なんだ。先生が言ってた2割の人なんだ~」と思えば、気持ちが楽になります。

 

最後に、私はあなたの幸せ願う2割の応援者です。心から、あなたの幸せを願っています。それでは、また会 える日まで。

 

あなたのことを非難する人がいたら

「2:6:2」だったり「1:7:2」だったりと、諸説ありますが、数字はこの際どうでもいいでしょう。

大切なことは、どんなにがんばったって2割の人はあなたに反対するということです。

すべての人に理解されることは不可能です。

 

あの『嵐』だって、「嫌い!」って言う人がいるじゃないですか?

アイドルを指さして、「あの子かわいくないよね〜」って言う人、いるじゃないですか?

非難したい人っているんです。

 

あなたのがんばりに関係なく非難したい人はいるのです。

あなたのがんばりに関係なく、非協力的な人はいるのです。

 

それがわかっているだけで、気持ちはずっと楽になります。

 

「どうしてあの人は理解してくれないんだろう?」

「どうしてあの人は協力してくれないんだろう?」

そうやって悩むエネルギーを、もっと素敵なことに使いたい!

 

大事なことは、あなたを非難する2割の人を振り向かせることではないんです。

あなたを応援してくれる2割の人をさらに喜ばせることなんです。

 

 

そして、残りの6割の人を味方につけることです。すると、合計8割の人があなたを応援してくれます。

それが味方MAX状態です。

 

そのぐらいの気持ちでいることが「ハッピーな先生」には必要です。

ハッピーな先生になるためのステップ

 味方MAX状態は、無条件で応援してくれる2割の保護者を喜ばせる。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」として人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・2018年~2019年 100人のボランティアスタッフをマネジメントして『子育て万博』を主催。

・2021年~2024年 パリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフのマネジメントを担当。

・経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムCrewDocks®︎を開発。企業研修など精力的に活動中。