通知表の所見は、ピントの合わせ方が大事

通知表 所見

所見を書くのが苦手な理由

所見を書くことが苦手な理由は二つあります。

「どう書けばいいか、わからない」

「何を書けばいいか、わからない」」

さて、どちらのパターンでしょうか?

 

 

「どう書けばいいか、わからない」という場合は、簡単な解決方法があります。

 

ベテランの先生に所見を見せてもらうんですね。それぞれの先生で、ある程度の型があります。書きぶり、書き方の癖のようなものもあります。

数人の先生の所見を見せていただけば、こんな書き方をすればよいのかという型が見つかると思います。僕も初任のころ、そうやっていろんな先生の所見を読み、またたくさん朱書きを入れていただき、鍛えていただきました。

 

何を書けばいいかわからないときは

んじゃ、何を書けばいいかわからないときはどうすればいいでしょうか。それはね、しっかりインプットすることです。

インプットするために子どもたちを見つめる瞳って、カメラのようなものです。どこにピントを合わせるかが重要です。ピントを合わせる場所を間違えると、見えるものも見えなくなるんですね。

 

では、どこにピントを合わせますか?

 

学校行事にピントを合わせることは、よくあることです。ところが、学校行事って書きづらかったりするんです。それはね、学校行事というものが、一部の児童生徒の独壇場になってしまっている場合が多いからです。

 

そして、毎年毎年同じような所見になってしまう。1学期は運動会を書いて、2学期は文化祭を書いて…、みたいなね。

でもさ、「合唱練習がんばりました」「運動会の練習を暑い中がんばりました」ってさ、ほとんどの子がそうじゃん?

だから、書きづらいんですね。

 

なので、学校行事から題材を探すのを、いっその事やめてしまうといいと思います。

 

んじゃ、どこにピントを合わせますか?

僕は、教室の中の小さなエピソードに目を向けています。

 

教室の中での起こる小さな出来事から題材を探すんです。

日記の言葉、ノートの書き方、友だちとの接し方、掃除の丁寧さ、係活動、授業の様子。そこにピントを合わせてみてください。

 

そしたらね、書くことなんて山ほどあるんです。学級担任にしか書けない所見になるんですよね。教室の中でその子をじ〜っと見つめてみてください。書けないのはね、圧倒的にインプットが足りないからなんです。

 

行事で書くと、だいたいみんな似たり寄ったりの所見になります。だから、書きづらいんです。

題材は、教室の中から探してみる。だって、それ、担任の先生しか書けないでしょ?

 

ハッピーな先生になるためのステップ

 教室でじ〜っと子どもたちを見つめたら、書くことなんて山ほど見つかる。

 

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。