頭で考えない、心で感じてみる。

魔法の質問 ことはカード

同じもの、見えてる?

ここ数日、『魔法の質問』の新しいセッションカードである『ことはカード』を使って、お話を伺っています。

『漢字カード』や『イラストカード』のセッションは簡単でした。

それなのに、『ことはカード』は扱いがとても難しいのです。

 

 

それはなぜでしょうか。

 

 

実は2つのカードと『ことはカード』は別物です。

そのことに気がついてしまいました。

 

 

そもそも、セッションを受ける人(クライアント)とセッションする人(カードマスター)では見えているモノが違います。

この意味、伝わるでしょうか?

 

 

漢字カードは同じ漢字を見ています。

そこには、互いの共通理解があります。

「仲」なら「仲」。

「歩」なら「歩」。

多少の誤差はあるでしょうが、同じ「漢字」を見ながら、話をしています。

 

 

イラストカードも同じイラストを見ています。

「漢字」よりも、さらに「ヴィジュアル化」されているため、より扱いやすいカードになっていると思います。

 

 

僕は、この『魔法の質問イラストカード』を用いて、生徒との教育相談(二者面談)に活用していました。

ただ、カードを見せて話を聴くだけ。

それで、生徒がスラスラお話をしてくれるんですね。

 

 

とても好評で、隣のクラスの生徒が、「先生、私にもカードのヤツ、やってください」と言われるほどに。

教育相談(二者面談)が口コミで広まるという怪現象。

これは、なかなか良いツールだと感じました。

 

 

『魔法の質問ことはカード』の難しさの秘密

一方、『ことはカード』でセッションをやってみての感想。

これは、とても使い手が試されるカードです。

簡単ではありません。

 

 

 

『漢字カード』『イラストカード』とは、決定的に違う部分があります。

それは、「クライアントとカードマスターが同じモノを見ているわけではない」ということです。

 

 

相手が心に「描いていること」がわからないのです。

 

 

クライアントの見えているもの…というよりは感じていることをカードマスターが味わう必要がある。

寄り添う、と呼んでもいい。

 

 

だから、僕はクライアントが味わっているものに寄り添おうとします。

でも、完全に一致させることは難しいのです。

 

 

クライアントが感じているもの僕が感じているものが異なるとき、

「しつもん」に「意図」「誘導」を感じさせてしまうようです。

 

つまり、「コントロールされている」と感じさせるんですね。

 

 

「しつもん」している僕も、「しつもん」してから、「今のしつもんは余分だったぞ」と気づくわけです。

このカードはもうね、セッション用というよりは自分磨き用ですよ。

 

 

同じものは見えていない。

同じものは感じられていない。

この気づきは、人間関係においても、とても大切です。

 

 

そもそもこの『ことはカード』をツールとして使いこなせるころには、『ことはカード』は必要なくなっていると思います。

見えないものが感じられたら、人間関係を構築することなんて容易い。

これは自分を磨くツール。

僕はそんなふうに理解しています。

 

 

子どもとつながる問いかけの魔法

感じていることはそれぞれ。そんな前提で問いかけてみよう。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。