犬も食わねえ夫婦の揉め事を丸く収めるシンンプルな方法


マウイに行ってる妻から久しぶりの電話。

かかってきた理由はわかっていた。

子ども会の回覧板の回し方を、メッセージアプリで尋ねたからだ。

 

 

わざわざ電話をかけてくる◯の妻。

返信ならメッセージアプリで十分だろ?と思う□夫。

 

 

「facebook見たよ。怪我の具合どう?」と案の定前置きから入る◯の妻。

「ああ、もう大丈夫だよ?それで…」と前置きを打ち切ろうとする□夫。

 

 

「子どもたちは元気?」と矢継ぎ早に前置きを挟む◯の妻。

(早く本題に入ってくれよ)と思いつつ、「まあ、それなりに」と空返事を送る□夫。

 

 

「また、前置きが長いと思ってるんでしょ?」と笑う妻。

(わかってるなら早く言えよ)という思いは隠して、「そんなことないよ」と伝えるも、声に本音が出てしまうのはストレート型の夫の「らしさ」か。

 

 

それでようやく「子ども会」の情報を入手。

情報が得られたなら仕事に戻りたい□夫。

つまりは早く電話を終わりたい。

 

 

だがしかし、久しぶりだから話を引き出したい◯の妻。

 

 

長男も体調不良。

そこで妻が尋ねる。

 

 

「長男くんはどう?」

「元気になって今日は学校へ行ったよ」

「熱は?」

「ないみたい」

 

 

聞かれたことにただ答える。

そこに遊びはなし。

そこに余白はなし。

会話を楽しむ気持ちすらなし。

 

 

なぜなら、俺は仕事中。

自分のペースが大事な□夫。

 

 

そしたら、妻が尋ねる。

 

 

「長男くん、どこの病院行ったの?」

1〜10まで知りたい◯の妻。

 

 

(その情報、いらなくね?)と思うのは□夫。

病院名を告げると、「ふ〜ん…」と空返事。

(ほら、いらね〜情報じゃん)と思う。

 

 

黙っときゃいいのに、「その情報、いらんでしょ?」と余分なことを言う。

普通の夫婦なら、ここで一悶着。

 

 

ところが妻が、「だって、◯だもん」と言う。

「知ってるよ」と答えてお互いに笑い合う。

 

 

それで終わり。

 

 

妻が帰りの飛行機での心配事を言う。

お土産のために荷物が増えすぎてしまったのだそうだ。

 

 

問いが生まれると答えを探すのが□夫。

すぐに答えをGoogle検索。

 

 

 

「どうしよう?」と言う◯の妻。

 

 

□2夫は情に厚い。

冷たいくせに、心に迫られるとほっておけなくなる。

 

 

それを知ってか知らずか。

◯2妻は計算尽くか?

 

 

困った表情が伝わるような声色を使う。

問題は超過料金を支払えば解決する。

 

 

 

□夫が一言。

「お金で解決すれば済む話でしょ」と背中を押す。

 

 

 

今日はそんな10分間のやりとり。

◯□△。

たったそれだけ、わかってるだけで、僕らはぶつからずにすむ。

 

 

シンプルな方法。

つまり、相手を理解するってことさ。

思いやるってことさ。

 

 

だって、人間関係は鏡だもの。

相手だけが悪いなんてことはないのよ。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。