心と体を健康に保つための重要な条件とは?
ロバート・ウォールディンガー教授(臨床精神医学)は、史上最も長い期間、人間を追跡して成人発達研究をしました。
1938年から始まった研究は、ハーバード大学の学生と極めて貧しい環境で育ったボストンの少年たちを調査しています。
約700人いた被験者も、ほとんどが90代となりましたが、それでもまだおよそ60人が現在でも調査に参加しているのだそうです。
その研究で明らかになった「人生を幸せにする教訓」でした。
人を幸福にし、健康にするのは、良い人間関係です。
そして、その人間関係について、大きな教訓が3つあるといいます。
ひとつは、「家族や友人、コミュニテイなど、周りとのつながりを持っている人はそうでない人よりも幸せで健康で長生きする」ということ。
ふたつめは、「身近な人たちとの関係の質」が重要であるということ。
そして、人間関係が良いと脳も守る、ということです。頼れる相手と80代までしっかりした人間関係が築けている人は記憶がずっと明瞭でした。
逆に、パートナーは全く頼れないと感じている人に記憶障害が早期に出現したのだそうです。
人生を良きものにする。
健康な暮らしを手に入れる。
そのために必要なのは豊かな人間関係であり、とりわけ身近な人との人間関係が重要であると結論づけているわけです。
であるならば、子どもたちには豊かな人間関係を築く能力を育んでいきたい。大人もまた他者と良き人間関係を築けるようでありたい。
何より家族の関係をよりよくしたい。
それが心と体の健康に重要だからです。