誰かのため、は自分のためかもしれない


土砂降りの雨のせいで新幹線が遅れていました。

夏休みに入り、少しだけ混雑した新幹線。

僕は自由席の1号車に乗り込みました。

 

 

幸い席が空いていて、3人掛けの廊下側に腰を下ろしました。

真ん中の席を空け、窓際にはスーツ姿のサラリーマンが座っていました。

 

 

大きなスーツケースを引きずった女性。

若いカップル、次々と人が行き交い、座席を探しています。

 

 

すると、幼稚園児ぐらいの子の手を引いて、お母さんが歩いてきました。

二人で座れるところを探しているようで1号車まで歩いてきたのでしょう。

 

 

結局、席が空いてなくて、お母さんは2人掛けの席に腰を下ろしました。

隣にはサラリーマン風のお兄さんが座っていました。

 

 

そして、幼稚園児のお子さんに、自分の膝の上に座るように促したのです。

 

 

名古屋から東京までは約90分。

子どもを膝の上に抱えていては、母子ともに疲れてしまいます。

 

 

僕は彼女の肩をポンと叩き、「席を替りましょう」と伝えました。

お母さんは「ありがとうございます」と頭を下げ、席を交換しました。

 

 

ただ、それだけの話です。

時間にして10秒にも満たないやり取りです。

 

 

でも、僕はその日1日幸せでした。

きっとあの母子も気分良く旅をスタートできたでしょう。

 

 

人生はこんな小さな出来事でも幸せになれる。

 

 

誰かのためにしたことで、自分が幸せを味わえるなら、これは「誰かのため」ではなく「自分のため」なのかもしれないな、と思いました。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」として人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・2018年~2019年 100人のボランティアスタッフをマネジメントして『子育て万博』を主催。

・2021年~2024年 パリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフのマネジメントを担当。

・経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムCrewDocks®︎を開発。企業研修など精力的に活動中。